今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅


新宿K′sシネマにて鑑賞…


こじんまりとした映画館ではあるが、綺麗だし、シートの座り心地も良いし、好きな映画館だ。


でも、基本サービスデーは1日だけなので、そのタイミングで観たい映画を上映してないと行くことが無い…(^-^;


ブッダ・マウンテン」というタイトルと予告編の印象から、「星の旅人たち」のような巡礼の旅を追うロードムービーかと勝手に思いこんでたけど、全く違った…(^-^;)


しかし、タイトルが良い!!


原題の「観音山」のまんまだったら、ちょっとした丘のような山に簡単に命名されそうなその響きがあらぬ誤解を生んで、まさしく巡礼映画になりそうだ(笑)


チェン・ボーリンファン・ビンビンが良かった。


お互いに惹かれ合いながらも、素直になれない…ただの友達でいることで、お互いの気持ちを誤魔化し続けてきた2人。


都市化の進む街で、社会的に弱者であったり、定職を持てなかったりする若者達。


この映画の牽引役である3人の若者も老朽化の激しいアパートで共同生活をしている。


彼らの住まいが取り壊されることになって、新たな住まいを探して出会ったのが、1年前に自動車事故で最愛の息子を亡くした元京劇女優。


彼女の家に間借りすることで、最初は反目しあっていた4人がたがいにかけがえない存在になっていく様を変わりゆく街の風景を絡めながら描いていく。


息子を亡くした喪失感をいつまでも拭えない大家の女性に若者達は優しく寄り添っていく。


そして、観音山へ貨物列車の無蓋貨車に乗り込み、彼らなりの巡礼を試みる。更に、大家を伴って再度訪ね、大地震で壊滅的な状態になった観音山の寺の修復を手伝い始める。


ここで、大家は3人の若者に出会ったことの喜びを住職に語ってみせるのだが、彼女の心に巣くった孤独を埋めるため、永遠に寄り添うこと選び取るラストはなんと捉えたら良いのか…


大家の最後の決断を受け止めた3人の姿でこの映画は幕を閉じる。


ずっしりと心に何かが残る、そんな映画だ。


大好き、こんな映画。