とにかく、その豪華キャストに目が引かれる。
キャメロン・ディアスの妖しいメイクで、まぁ、ハッピーな映画じゃないってことは分かるけど、キャスト聞いただけなら、「悪」がまさかこんな「悪」だと誰が思うだろう。
予告編って、一応観てから参戦しないとダメなのねっと痛感する映画です。
内容はタイトル通り、「悪」がいかにして、世の中に存在し、機能し、巡っていくのか、その「法則」っていうより、「連鎖」の様子を次々と映し出していく。
1組のカップルが、「悪の法則」に絡め取られていく様はなかなかリアルで背筋が凍る。
結局、愛する女のために、欲を出した主人公の弁護士が、自分の身分と現在の経済状況をターゲットにした闇社会の入口に立つ仲介人達の罠にハマり、自覚の無いとこで責任追及されるに至るお話。
怖い、怖い…
ホント、怖い(>.<)
悪の首領たる男は、彼のやることからは想像できない穏やかな顔で、詩を語り、人生の難しさを語る。
彼にかかれば、相手の理由などお構いなしで、自分の思い通りに物事が進まなかった時の対処に慈悲など微塵もない。
ある意味、徹底した規範の持ち主なのだ。
主人公は欲にかられて、ヤバい話に耳を貸しただけなのに、彼の周辺で、その話を同じく耳にした人間が彼を隠れ蓑にして、まんまと大金を奪う。
首領は分かっているはずだ。主人公はただ踊らされただけの脇役だと…
でも、1度舞台に上がろうとしたそのわずかな迷いさえ、許そうとはしない。
全体として、1つのまとまったストーリーを追うわけではなく、様々な登場人物が自分の世界でどのように主人公の「悪」に接したのかだけがバラバラと映し出されていく。
結局、解決も何もない。
今日、逃げきれた人間は、ただ明日のターゲットになるだけだ。
その繰り返しだというメッセージがラストのキャメロン・ディアスの発言に含まれてるよ。
とりあえず、香港だってさ!!
今や地球は小さくなっちゃったから、海を越えたって、逃げられない。
ホント、怖いお話でした。
リドリー・スコット監督ってこういう映画を作るんだ。
そして、オープニングのやたらに過激な主人公マイケル・ファスベンダーとペネロペ・クルスの絡みと、お話がそろそろ佳境に入る頃のハビエル・バルデムとキャメロン・ディアスの車での絡みは、監督の権限を振りかざして、自己満足を得るために挿入されたとしか思えないんだけど(^-^;)
あれって、ストーリー的に必要?
「悪」を画く心臓に悪いお話の上に、どうみても必要無さそうな男女の過激な絡みが挟まれる展開。
豪華キャストに引かれて観ると痛い目に合う。けして、デート・ムービーじゃないよね(;^_^A
いろいろと悪評もあるそうだけど、私的にはなかなか良かった。