今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

魔都夜曲


先日、松下洸平主演「夜来香ラプソディ」のテレビ初放送がCS衛星劇場で放送された。その前日譚的な本作が合わせて放送され、初めて拝見。


松下洸平くんは上海のフランス租界のジャズ・バーでピアノを弾く「リョージ」役(これが5年後の服部良二さんに繋がる…)で出演。


なお、本作は松下洸平くんが所属する芸能事務所「キューブ」の創立20周年記念公演となっている。


主演は藤木直人。彼は「キューブ」の看板タレントらしい。正直に言うと、彼の代表作とはなんぞや?と思うが、芸能事務所の看板タレントとなればそりゃあ、事務所も前面推しでキャスティングするよなぁ…


さらに正直に言うと、あまり好きな俳優さんではなく、むしろ、彼がメインで出てるドラマはまず見ない。例えば、特に気にならない役者だから見ない鈴木亮平さんなどとはちょっと違う。私にとったら、古くは木村拓哉、最近なら賀来賢人窪田正孝的な俳優さんだ。ごめんなさい。あくまでも個人的な見解なので許してね。


木村拓哉は特徴あり過ぎで何見ても同じに見えるから見ないのだが、藤木直人さんや賀来賢人窪田正孝に至っては存在感が薄いので、見ててもぼんやりしてしまうのだ。


本作では脇に橋本さとしさん、山西惇さんと濃いキャラの人が絶えず絡んでおり、それで持ちこたえられた感じがある。それでも、いつの間にかテレビの前でぼんやりしてる自分に気づいて笑ってしまった。


ストーリーは第二次大戦の頃の上海を舞台にし、アヘンで傷つけられ支那の人々の苦悩と父親の威光を背景に異国で恵まれた暮らしを謳歌する元首相の息子の暮らしを対比して進む。


上海で出会った中国人兄妹を語る男女を自分の生活圏に誘い、友だと疑わない青年主人公はその兄妹の裏の顔を知らない。彼を危険に晒し、アヘン渦に引きずり込むことは日本に国土を踏みにじられた彼らにとっては悲願なのだ。そもそも彼らは兄妹ではなく、男と女の間柄。ところが、妹役の女は青年の気を引くために近づいたにもかかわらず、いつしか本気で好きになってしまう。


まぁ、よくあるパターンのお話で先が読めちゃうのがちょっとね…これを生で観劇してれば人間の注意力はそれほど卓抜でもないので、複雑な人間模様として感じられ、受け止め方もかなり違ってたかな。


しかし、テレビ視聴であり、主人公やメインキャストにあまり興味がなく、かなり冷静に見られたので、こんなもんかな的な(汗)。


そうそう、壮一帆さんの男装の麗人はまず本作に登場しており、それは楽しめた。これが5年後の「夜来香ラプソディ」に繋がるのだな。


音楽劇なのでメインキャストが歌うシーンがあるのだけど、マイコさんはまず音楽劇の舞台に立つのなら、そこからトレーニングしてきた方が良かったかな。


そして、バンドメンバーの一員として登場するリョージの松下洸平くん。登場する時間は短いが、ちゃんとメインのシーンもある。実際にピアノ演奏するシーンが意外に多く、それまでピアノを弾いたことが無かったと聞いたので、相当な準備と努力を積んだのだろうなと…芝居も若さが先に立つ。それでも、リョージはそれで良い。リョージはそういう役どころなので。


テレビ放送がなければ、果たして見たかどうか…テレビってありがたい。