端から評判が良く、早く観たいと思ってた映画。
予告を観て、宇宙空間にさまようサンドラ・ブロックがあまりにリアルで!!
IMAXだ、3Dだと言われていたけれど、私は2D(^◇^;)
時間的な都合とか諸々で…
で、結果どうかと言えば、確かに宇宙空間での浮遊物やら飛行物体やらの動線は3Dが良いに決まってる(^_^;
そんなシーンもたくさんあった。
それでも、別に負け惜しみで言うわけではなく、ある意味2Dで十分楽しめる映画だった。
と言うのも、宇宙空間での出来事だけでなく、主人公サンドラ・ブロックの生きるための戦いやたった2人の登場人物の片割れであるジョージ・クルーニーのサンドラを生かす戦いが素晴らしいから!!
3D映画って、時と場合によるけど、ストーリーよりも見せ物としての進化に目を奪われがち。
でも、この「ゼロ・グラビティ」と言う映画は、たった90分の中に多くの語るべきストーリーがある。
たった2人しか登場しない(厳密にいうと、船外活動をしている同僚1人、船内で機械をチェックしてる同僚2人がいるが、いずれも飛行物体の衝突で死亡している…泣)上に、上映時間は90分ほど…
長けりゃ良いってわけじゃないし、多けりゃ良いってわけでもないってことを監督のアルフォンソ・キュアロンが証明してる。
不慮の事故、いや、事故と言うにはあまりに馬鹿げたことで娘を喪ったサンドラが宇宙に求めたのはなんだったんだろう。
地上にはもう誰も愛する者がいないから、静かになれる宇宙へ目を向けたのか…
そして、宇宙飛行には他者を凌ぐ経験と知識を持ち合わせているらしいジョージは、どんな場面においても冷静さを失わないのだが、その彼が命をかけて救ったサンドラにどんな希望を託したのだろう。
宇宙空間に取り残され、死の淵をまるで綱渡りでもするかのようにさまよい続けるサンドラが生きる勇気を得たのは、ジョージの幻覚に励まされたからだ。
それまで、妙にリアルにヒリヒリと展開していた宇宙での出来事が、一気に湿り気を帯びてくる。
あの場面とラストの大地に立つサンドラの息づかいは、人間の暖かさを感じさせる。
幻覚を見たからこそ、サンドラは冷静さを取り戻し、帰還に際して、喪った娘への伝言をそのジョージに託す。
絶望の淵から1人の人間が生への希望を得たことで、勇気を出して新しい一歩を踏み出す。
それが成功するかしないか、そんなことは考えない…「私は生きて帰る」とただひたすら思い続けて前へ進む。
おそらく、どんな絶望感にも負けないであろう宇宙での孤独をあれほど淡々と見せつけられたのは初めてだ。
だから、サンドラの勇気に触れ、観ているこちらは拳を握り締め、「頑張れ、負けるな!!」と熱く応援しながら、スクリーンに釘付けだ(^-^;)
多分、サッカー日本代表より応援したなぁ(^ー^*)
誰がこの宇宙事故の原因を作ったのか、誰が責任をとるのか、中国船はなぜ無人だったのか、サンドラはどこにたどり着いたのか…
そんなことはどうでもいいんだ。
サンドラが戦いに立ち上がった、その勇気さえ観られれば(*^^)v