今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

メイジーの瞳


確か「ウォールフラワー」の試写会で予告編を観て、絶対に観たいと思ってた映画。


シャンテで観てきました!!シャンテの地下のスクリーンは、ホントに観にくい(・・;)傾斜が無くて、寄りかかるタイプの椅子(有楽町の昔からの劇場はこのタイプが多い…)だから、マジ観にくい…


前にデカい人でも座ったら、最悪(T^T)


今日は、女の人でなんとか助かったけど(>.<)


まぁ、そんなことより映画の感想!!


可愛い可愛いメイジーちゃん。彼女の父は美術商、母はロック歌手。どうして、こんな人が出会って、夫婦になるのかね…まず、そこが違和感あり過ぎ( ̄。 ̄;)


父も母も娘を愛してはいるが、不規則極まりない自らの仕事も愛して止まない。


人間、体は1つだけ…だから、当然、そのしわ寄せはメイジーに…


そして、お互いの主張を譲らない両親は離婚の申請を裁判所に訴えて、メイジーの親権を主張する。


メイジーは10日毎に父と母の間を行き来して生活することになる。


だいたい夫婦でいた時だって、互いに主張するだけで、助け合いもせず、それぞれ都合の良い時だけ、愛情溢れる親を演じてた彼らに1人でメイジーを支えることなど出来るわけが無い。


それに気づかないバカな大人がメイジーの親になってしまったのだ。メイジーにしたら、迷惑な話だけど、彼女にとっては、唯一生きる拠り所となるのが父と母なのだ…


可哀想なしのびない現実。


家族で生活していた頃から、ナニーとして雇われていた女性がなんと父親と再婚をする。


これなんて、父親が裁判所で親権を認めさせるためにメイジーが懐いてる女性を妻にして、メイジーの世話をさせているだけだ。


対する母親は、飲み仲間であった若い男と急に再婚する。これは、あくまでも元夫への対抗措置で、昼間働く自分と生活が逆転しているバーテンダーという職業に就いていることが最大の利点という選択。


自分が留守をする昼間、メイジーの世話か出来るから…


子供を第一に考える親は世間にも多いはずだ。そのために、自分を犠牲にする人も…でも、メイジーの両親は子供のためと言いながら、自分がメイジーの親でいられるためにあらゆる手段を講じたのだ。


そんな心の通わない方法で、人をどうにか出来るなんて思ってる両親が人間として最低です。


でも、子供は親を直接的に選んで生まれる訳じゃないから、メイジーもこんな親の元に生まれてしまって不幸だけれども、生きていかなきゃいけない。


こんな息の詰まるような生活が彼女の心に影を落とすことは想像してあまりある。


そんな時に、父親の新しい妻と母親の新しい夫という両親とは違う全く繋がりのない2人の優しさに救われていくメイジー


どんなに言葉を尽くして愛してると言ったって、どんなにお金を使っていろんな物を買い与えたって、結局、どれほどの時間を一緒に過ごしたかということの方が大事なんだ。


ただ、長い時間でなく、たとえ短くとも濃密な時間…


互いに笑いあえる時間。互いに向き合える時間。互いに見つめ合う時間。


その時間が持てない時、誰かに任せたりせず、しっかりと抱きしめ伝える努力をしたのかが相手にとってどれほど重要か…


共働きの夫婦がみな子供を蔑ろにしてる訳じゃない。小さな頃は寂しい思いをしていたとしても、それが全てではない…


子供もしっかりと現実を見て、選び取る方法を知っている。


メイジーはまさにそうやって強い意思を見せる。


メイジーの両親は、パートタイムパパ&ママ!!


それでも、必死で慕ってたのに、ある意味、大の大人が見切りをつけられちゃって…


不思議な繋がりの3人がその後上手くいくのか、そこは分からない。でも、どうやってメイジー達親子が壊れていったかを目の当たりにしてきた彼らには、そうならないことへの努力の大切さが分かっているはずだ。


現に「ナニー」と「新しいパパ」はメイジーに救われたのだから…


自分の子供の頃と重なる思いの人も多いだろう。たとえ、離婚という結末に至らなくても、それぞれどんな家庭にも様々な問題がつきまとう。


大人の世界のやりとりを上目遣いに垣間見てきた経験のある人なら、メイジーの健気さにいたたまれなくなるだろう。


私は、途中苦しくなった…


だから、ラストで桟橋を走るメイジーを観て、いつまでも真っ直ぐに走っていけるようにと祈るような気持ちになった。


とにかく、メイジーの健気さで保ってる映画です。


ただ、それだけ。


あっ!!「新しいパパ」のリンカーン役、アレクサンダー・スカルスガルドさん。先日観た「ザ・イースト」にも出てた。超イケメン!!ホントにイケメン!!