今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

韓国ドラマ「私はチャン・ボリ!」


全20話前後が基本の「ミニシリーズ」に対して、30〜50話のドラマが本筋らしい韓国ドラマ界。


出演する方も大変だ。


週に2話としても、半年間の拘束。しかも、2話ずつの撮影となると作る方も出る方も全てを捧げる感じだ。


見る方だって、大変。


単なる恋愛やラブコメではもたない分量かと。そうなってくると、山あり谷ありのホームドラマ、立身出世物、そして、恨みの連鎖というのが必需品か。


それら全ての要素に加え、ちゃんとラブコメ風味も抑えてたのが本作「私はチャン・ボリ」かなぁ。


ボリちゃんの数奇な運命と韓服職人になりたいという彼女の夢が、大きな原動力になって進む。


ホントは韓服の名家の生まれで何不自由なく生きていけるはずだったのに、後継者を決めるゴタゴタでお家騒動が起きてる時に行方不明になってしまったボリ。


家族の争いに小さな心を痛めていたボリ。


そんな優しい彼女の心を利用したのは、大人達だけじゃない。


貧しい暮らしから1日も早く抜け出したくて、そのためには実母を捨てても何も思わない少女と出会い、ボリの人生は大きく狂わされていく。


でもやっぱり、人間、悪いことばかりじゃないし、悪さは必ず暴かれるのだ。


出会った時から互いに反発し、犬猿の仲だった地元の検事がなんとボリの初恋の人、ジェファだったのだ。


行方不明のきっかけとなった事故で記憶を失っていたボリだが、運命とはまさに不思議。互いに初恋の人だ思い出すことも無かったのに、ボリとジェファは少しずつ心を開いていく。


そこから、ボリが失った記憶を手繰るかのように真実が明らかになり、治まるところに治まっていく。


ボリが育てた姉の娘がまた素晴らしい。子役ちゃんに泣かされることが多い韓国ドラマだが、まさに本作もだ。


ボリと娘との深い愛情、ボリとジェファの強い絆。これらは涙を誘い、暖かい感動を生むが、一方で、ボリやボリの韓服の師匠を取り巻く様々な恨み、嫉みが恐ろしい。


これが、長編韓国ドラマの真髄なんだなぁ。


長編と言っても、1時間物の全50話前後のドラマは、まだ普通みたい。


30分物で100話を超えるシリーズもたくさんあるらしい。


「ミニシリーズ」と言われる16~24話前後のドラマでさえ、日本では十分長編なのに…


WOWOWで毎朝放送されるホームドラマ枠で、私ががっちり全話見た最初のシリーズだ。


本国で話題になり、視聴率も高かったというのも頷ける。しかも、ボリをイジメ抜く姉役の女優さんが年末の女優賞を総ナメにしたというのも注目度が高かったからだろう。


悪役が存在感あるとやっぱり話題になるよね?


これは、映画やドラマの必須条件。悪役、敵役がヘナチョコだと面白みに欠けるし、感情移入という武器が使えなくなるから(汗)


まさに作り手の策略にハマった視聴者がここにも1人(笑)


ボリちゃんの笑顔に心癒される戦うホームドラマです。