今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

千年医師物語 ペルシアの彼方へ


試写にて鑑賞。


なんか、初めて見る光景が‼赤ちゃん連れがいたり、他の格安チケットを声かけて譲ってる人いたり、トイレで大きい方の粗相してる人がいたり…


大きい会場はいろんな人がいるなぁ。でも、あの赤ちゃんどうするのかなぁ。結構グズってるけど、上手い具合に寝るかしら。そんな人の心配しながらの開映待ち。


ちょっと長尺なのが心配だけど、観たかったので、楽しみに。


で、本編。


長さは全然気にならず、むしろ面白かった。「ペルシア」という国(!?)があった頃のお話。イギリスはロンドンの貧しい村。母親とまだ小さな子供の一家。大黒柱の母親が脇腹の痛みを訴えて死んでしまう。


当時のロンドンの医療は「理髪師」がペンチで抜歯したり、得体の知れない煎じ薬を飲ませたり、奇術師のようなまやかしでお粗末なものだった。


旅芸人のように各地を旅する理髪師に母親を助けてもらおうと駆け込んだ少年。だが、その病は理髪師に助けられないことは理髪師自身が1番知っている。


母親はあっけなく息を引き取り、子供だけになった家族。小さな妹たちは売られていき、少年は1人に。彼はよその街に向かう理髪師の馬車に忍び込む。


こうして、理髪師の助手をしながら、まやかしながらも人を救うことに使命を感じて彼らなりの医療を学んで成長する 少年。


ただ、結局まやかしはまやかしで、白内障になった理髪師の治療のために当地で医術を施していたユダヤ人の元を訪ねる。


そこで、先進の医術を目の当たりにした主人公は、ユダヤ人が学んだという師匠を求めて遠くペルシアの地まで旅に出る。


過酷な旅を経て、たどり着いた街はイスラム世界。ユダヤ人と偽り、医術を学ぶため最高の知識人であるイブン・シーナの弟子に。


しかし、当時の医術は宗教上の教えの範囲内という制約があり、科学的な施術(手術)は禁断の行為とされていた。


現状の医学に限界を感じた主人公はその禁を犯し、裏切り者と罵られながらもかつて母を失ったのと同じ脇腹の病で苦しむ王を救う。


イブン・シーンという「医学の父」は実在の人みたい。史実に則りながら、小さい頃に母を病で亡くした少年の壮大なる旅と成長の記録を説得力をもって映像化させている。


歴史物好きには楽しめる映画だと思う。


やっぱり、ベン・キングズレーは威厳ある‼そして、理髪師のステラン・スカルスガルドが良い。ペテン師なのに愛情あって。主人公を演じる若い俳優の脇を固める確固たるベテランの存在。素晴らしい。