今年の東京国際映画祭のグランプリを受賞した作品。
私は映画祭最終日のWOWOW賞受賞記念上映会に参加させてもらったので、グランプリ作品がWOWOW賞を受賞したということで、ラッキーにもグランプリ作を観ることができました。
ドイツ映画で、映画祭出品のためか、英語字幕がついており、日本語字幕は昔の映画みたいにスクリーン右端に縦書き。
実はこれがとっても残念。
最初から主催者側に座席を指定されており、かなり前の方の端っこ。つまり、スクリーン中央に目を向けると右端の日本語字幕はほとんど視界に捉えることが出来ない(涙)
そのため、最初はどこを観て良いのやら。目が馴染んで、スクリーンの左側は捨てることを選んでなんとかストーリーを追える程度に。正直、こんな席で映画は二度と観たくない(怒)
無料招待なんだから、指定された席に座れという事なんだろうが、これじゃあ、その映画の良いところも分からない(怒)
いつも前の方で観る人はそれなりに観方も確立してるんだろうが、私は真ん中より後ろで観る人だから、ホントに苦痛で、観落としもいっぱいあると思う。
そういう状態での感想なので、あまりアテにはなりません(汗)
お話はラブ・ストーリーだという事前情報。
ホロコーストを研究しているグループが、その権威の教授のもとで講演会を企画している。主人公は、そのメンバーで、祖父がホロコーストの加害者側の人間だ。自分の祖父が多くの罪の無い人々を死に追いやったことに深く傷ついている。
だからこそ、研究しているのだが、家族には理解されない。
そこにフランスから研修でやってくる女子学生。彼女のお守りを任された主人公は、彼女が祖母をホロコーストで亡くしていると知る。
ユダヤ人である彼女の家族はドイツに対して、ドイツ人に対して、複雑な思いを抱えている。しかし、彼女はホロコーストの研究をするかたわら、ドイツ人の男と付き合い、ドイツ車を乗り回す。
だから、彼女の家族は、彼女を持て余している。それが、彼女の情緒不安定を生み出してしまう。
そんな2人が出会い、反発し合いながら引かれあっていく。ただ、男には妻子があり、女には不倫交際をしている男がいる。
とにかく、男女関係が複雑。
ヨーロッパでは、それぞれの近しい家族にホロコーストの被害者と加害者がいる相反する立場の男女が、自分の出自に関係なく交際することは難しいのだろう。
そのことが最初の取っ掛かりだったはずだが、話が進むにつれ、その大事なテーマはどこかに行ってしまう。
単に、妻と上手くいかなくなって悩む男と不倫相手の優柔不断さに悩む女との恋物語になってる。
笑えるシーンもあると紹介されていて、確かにそんな場面もあったけど、単純に笑うと言うより、ブラックな感じ。
ホロコーストに関連するコメディ要素のあるラブ・ストーリーという映画の形での資金集めは大変だったとプロデューサーが言っていた。そりゃ、そうだろうと思った。ましてや、途中からホロコーストはどっかに行っちゃうし(汗)
2人が出会い、ホロコーストの取材を始めると、男の祖父と女の祖母は、同じ町の同じ学校にいたことが分かる。2人の運命的な繋がりに感動しちゃったのかな。2人は互いに心を許す。
でも、そこにたどり着くまで、特にサスペンス風に仕上げてるワケでもなく、なんだか、中途半端な感じ。ラブ・ストーリーってこんな感じなのかな?
それぞれ観る人にも好き嫌いがあるから、ラブ・ストーリーがお好きな人には良いのかも。
私的には、観た人には分かるだろうシーンで、女が犬を車から放り投げた場面で、もうダメだと思った。あれは笑えない。後ろの席のおっちゃんが笑ってたのには、ゾッとした。かなり前半部分なんだけど、もうそこで、私はお手上げ(涙)
特に動物愛護を求めてるわけでもないし、犬が好きというわけでもない。むしろ、犬は苦手(汗)でも、自分のイライラをあんな形で発散する女に嫌悪感。
その後は、もう情緒不安定な女の言動にどうにも怒りが湧いてきて、どうしようもなかった(涙)ついていけないという感じ。それは監督の術中にハマったということなのか?あんな女に惹かれる主人公が分からない╮(๑•́ ₃•̀)╭
あと、ラスト。
つい先日観た「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」のラストとそっくり。こんな、よくあるパターンのラストなら、もう一工夫あっても良いのになぁと思ってしまった。
私にはたまたま苦手な作風の映画だったということで、お許しをm(_ _)m