今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

オリエント急行殺人事件


名探偵ポワロと言えば、ついこの前NHKで再放送をしてたドラマ版が私にとっては1番身近。あの俳優さんのイメージがあるだけに、ケネス・ブラナーがどんなポワロを演じるのか、とても楽しみだった。


彼は日本で言えば、北野武。自分で監督し、主演する。「ダンケルク」では、あくまでも俳優として、その存在感を見せつけたけど、今回の大車輪のお仕事はどんな感じなのか。


あまりに楽しみなので、初日の初回に地元で鑑賞。初日の初回を観るなんて、どれくらいぶりだろう(汗)金曜の初回にもかかわらず、そこそこの入り。


まず冒頭は、ある盗難事件を解決したポワロが休暇を取ろうと船に乗り込むところから。ちょうど、アメリカ大統領トランプがイスラエルの首都を決定したと発言し、物議を醸してる時だけに、事件の発生場所がエルサレム嘆きの壁だったのが、なんとも。。。


ここから、急遽、事件に呼ばれて行き先変更、満席のオリエント急行に知人の若き支配人を頼って、無理矢理乗り込むと、事件に遭遇してしまう。


オリエント急行の発車を喜んで見送る街の人々。その列車の発車準備に多くの人が右往左往。そんな手を尽くされた豪華な列車が満席というのも考えたら変なワケだが、最初からそこに疑問を持つ人はいないわね。


オリエント急行の走る姿を追う映像が美しい。雪に覆われた山々、その間を縫うように走る列車。豪華キャストに負けない美しい映像だ。


キャストが豪華だから、「あの人、犯人っぽい」って予想がつかない。人気の小説だし、映像化もされてるので、基本的なストーリーを知っている人はたくさんいるだろうし、また、そうした人たちが観るのだろうと思うが、これだけ、キャストが揃い、誰もが怪しく、誰もが犯人とは思えない俳優となれば、別物として楽しめるのではないだろうか。


一応、謎解きが大きなウエイトを占めるので、内容については語れないけど、最終段階で、ポワロが謎解きを語る場面。乗客たちは脱線した車両を軌道に戻すまで、トンネルの中で待機することになる。テーブルに横一列に並ぶ様子は、まるで「最後の晩餐」のようだった。


場面、場面が1枚の絵のようなシーンが多くあった。また、お話の中心舞台が列車の中ということで、変化を持たせにくいためか、変わったカメラアングルで列車の中を映し出していた。


見せる、魅せることを意識した視点で撮られた映画なんだなぁと。


ベテラン俳優たちが、そこにいるからこその重みを示して、美しい映像と相まって、しっかり楽しめる。


ただ、事件の発端となる、とある事件と乗客たちの関係性が明らかになる行は、少々複雑で、ちょっと眠くなる(汗)これだけ、登場人物が多いと仕方ないのだろうが、そして誰もいなくなったくらいの人数が私には限界みたい(笑)


美しい映像と存在感ある俳優たちが織り成す重厚なドラマ。是非、スクリーンでの鑑賞を。