今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

イコライザー2

名優デンゼル・ワシントンが年齢も省みず、アクションに挑む快作「イコライザー」の続編。

お年と共に、走る、跳ぶなどにはやはり多少無理を感じるこの頃、そこは元CIAエージェントという役どころと現在のコンピューター社会を反映して、ノートブック片手に事件の背景をほぼ解明してしまい、悪者を実際にやっつける時だけフルパワーというかなり省エネなアクション映画(笑)。

でも、その省エネはあくまで「時間」的なもので、アクション自体は物凄く見事な流れ。

デンゼル・ワシントンの年齢を考えたら、あのシャープで洗練された動きは相当なものだ。それだけで鍛えられた戦士だったという役柄の説得力を生む。

とにかく、デンゼル・ワシントンに感動する映画なのだ。

お話は、ある意味「王道」。厳しい命のやり取りをして生きてきたエージェントとしての過去。妻を守れなかった自分を許せずに「死人」として生きてきた主人公。

捜査の現場で爆発に巻き込まれ、死亡したことになった彼は、それまでの生活を断ち切って市井に暮らす。彼の生存を知っているのは、かつての同僚ただ1人。

前作は、ホームセンターで働いてた彼。さすがに暴れちゃったから仕事を変えたらしい。今度はセダンに乗ったタクシー・ドライバー

バック・ミラー越しに見る客の様子から、彼は様々なことを読み取る。

自分がかかわった人たちの理不尽な不幸を見過ごせず、昔取った杵柄で、しっかり落とし前をつける。

プロとしての冷徹な仕事の一方、厳しくも愛のある対応も見せる。

同じアパートに住む、何事にも投げやりで悪い仲間に良いようにあしらわれている少年にとって、彼は家族以外で本気になって心配してくれた初めての大人なのだ。まさにヒーロー!

エージェントとして、殺しを仕事として請け負ってきた彼のかつての仲間たちは歯止めが効かなくなり、ダークサイドに落っこちて、ただの殺し屋に成り下がる。その秘密に気づいた彼の友人を殺したところから、このお話は俄然スピードアップしてくる。

面白かった。全編通して、小気味よい緊張とスピード感。主人公の冷徹な横顔と暖かい心根。

デンゼル・ワシントンはフークワ監督のアクションとの相性がバッチリなのね。

TOHO系ではIMAX上映のみだったりして、普通のスクリーンで観られる劇場が少ないのが残念。こういう面白さはやっぱり劇場でこそ。

レディース・デーだと言うのに客席はおっちゃんばっかりというのもなんだかねぇ。なまじ、邦画が好調だとこういう映画が締め出されてしまうのがホントに残念。言っちゃあ悪いけど、今流行りの邦画の大半はテレビで十分でしょ。高校生の恋愛ものって映画館で見なくてもねぇ。でも、儲からないと映画館も商売だからねぇ(涙)

とにかく、面白さはバッチリ!

そうそう、主人公の仕事がタクシー・ドライバーということで、車の側面、後部ドアの辺りを視点にして映し出す街の映像はドアの丸みがアクセントになって、普通のビルや橋がなんだかカッコ良く見えてくる。

こんな風に浅草の吾妻橋から見える街を映したら、きっとカッコいいはず。こんな風に葛飾のハープ橋を走る映像はスリリングなはず。そんな印象が。。。誰か、こんな邦画を撮らない?