今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

そして、バトンは渡された


いつもじゃないけど、いろんな事で行き詰まった時に無性に読みたくなる瀬尾まいこさんの小説。。。


今回は図書館の予約で、こちらの都合で手に取ったワケじゃないんだけど、癒された。


『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ 著(文藝春秋)


以下、感想。。。
















瀬尾さんの小説を読むのは久しぶりだ。かなり、予約待ちしてたんだけど、今までのイメージからするとちょっと長編。


サラリと読めて、でも、心に響く。読み終わった後、心がスーッと軽くなるような癒しを与えてくれる作家さん。


主人公は優子ちゃん。優しい子だけれど、芯の強さを感じさせる。それはきっと彼女が世にも珍しい日々を送り、成長してきたからに他ならない。


子供だったから、ただ与えられた場所での生活を受け容れるしかなかった優子ちゃん。それでも、彼女は自分が暖かな心優しき大人たちに囲まれて生きてきたことを誰よりも知っていた。


よくもまぁ、グレもせず、しっかりと生きてきたものだと関心させられる。小説だからと言われてしまえば、それまでだけど。


瀬尾さんの作品特有の暖かさが底辺にあり、誰も考えられないような日常であっても、こんな人たちいるかもなぁと思わせてくれる。


もう、どうしようもなく思い迷った時に、別に人生の指針を得ようとかそんな大それたもんじゃなく、自分と同じように悩んでる人が小説の中にいることが、なんだか自分1人じゃないんだなと思わせてくれる。


この度の主人公、優子ちゃんの置かれた立ち位置は、誰もが経験するようなものではないけれど、それでも、ごく普通の人たちが経験するかもしれないと思わせてみたり…


ラストは泣けた。残り少なったページを見て、実はもう読むのもまどろっこしくなって(汗)、ラスト数ページを先に読んでしまった。途中抜けてるけど、でも、それまでの宮森さんと優子ちゃんを知ってるから、泣けて、泣けて(笑)


でも、やっぱりちゃんと読もうと思って、飛ばしたところまで戻って読み進めた。読んだはずのラスト数ページ。また泣けた。。。


森宮さん、ホントに良かったね。森宮さんは誰よりも娘を愛する父親だったよ。