今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ピアソラ 永遠のリベルタンゴ


まさか、ピアソラを映画館で観ることがあろうなどと予想すらしなかった。12/1「映画の日」に渋谷Bunkamuraのル・シネマにて公開。


当日は迷ってるうちに席が埋まってしまい、断念。いくらサービス・デーとはいえ、平日の方が幾分空いてるだろうとふんで…


それでも、前3列くらいしか空席は無かったので、混雑してる方だ。まぁ、都内ではここだけの上映だから仕方ないか…


でも、これほど、ピアソラって人気あるのか?私は踊る方の伴奏としてのタンゴでなく、ピアソラの奏でる「音楽」としてのタンゴを好むので、何をもっても観たいわけだが、場内はおばあさんやおじいさんと言える人が大半で、中年世代は数えるほど。しかも、上映開始から少し経つと寝息が…


ん~。。。


別な映画を観たときに劇場で観た予告編では、演奏をふんだんに盛り込んだドキュメンタリーという事だったが、実際はアルゼンチンでは異端と目されたピアソラの奏でるタンゴに本人が苦悩する話やヨーロッパに出奔してしまい、家族と疎遠になるなど、音楽を生み出すまでの過程が映し出され、途中で挟まれる幸せな家族のホームビデオ映像がむなしくなるほど、当時を語る息子さんの表情は暗い。


成功を収めて、晴れやかな表情でバンドネオンを演奏するピアソラの様子も映し出されるが、彼の音楽をたっぷり楽しみたいと思って劇場に出向いた私には少し物足りない。



でも、要所要所ではしっかり聞かせてくれるので、まぁ、仕方ないか…


ライブハウスでの演奏を録音したCDを持ってるが、そんな盛り上がった演奏シーンは無かったなぁ。今では、ネット配信で簡単に手に入りそうだけど、当時はCD探すのも一苦労だったなぁ(汗)


あのテンポの良い演奏と切ないほどの深い音。彼の鳴らすバンドネオンの動きと指運び。ドキュメンタリーならではの「本物」の凄さを体験できる。


ピアソラは、バンドネオンの演奏をオーケストラ用に書いたはず。ラストで流れるのはそれだよね。唯一、バンドネオン協奏曲を書いた天才のお話。


これが、Bunkamuraだけの単館上映とはもったいない。