今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ロープ 戦場の生命線

試写にて鑑賞。面白かった。これはオススメ!!


ベニチオ・デル・トロティム・ロビンスの共演となれば、観とかないと!!劇場で観るつもりでいたのを試写会で鑑賞できて、ホントにラッキー!!


紛争地域での人道支援を請け負うNGOの活動を追った映画。国連PKO部隊が展開する地域で、実際に人々の生活に密着した支援をするのは、こうした武器を持たない職員だ。


地域で唯一地雷の心配のなかった井戸に人の死体が投げ込まれた。唯一の水源が断たれた村人は井戸を心配そうな顔をして遠巻きに見ている。


ロープを死体に括りつけ、いざ引き上げる段になり、ロープが切れてしまう。そのたった1本ロープが、村人の命の綱でもあった。


彼らは二手に分かれ、ロープを探し求める。


どこに仕掛けられているか分からない地雷の危険を回避し、停戦合意がなったとは言え、実際の生活の上では、まだ敵味方に分かれて反目しあっている緊張状態の中を車で駆け回る。


武装した地元兵士による通行止めに合ったり、地雷除去の現場に足止めされたり、進む道の中央に死んだ牛が留め置かれ地雷の危険にさらされたり。。。


たった1本のロープが手に入れられれば済む問題なのに、事態は一向に進まない。これが紛争地域の現実なのだと思い知らされる。短気を起こして、慎重さを欠いた行動に出れば、たちまち命の危険が迫る。そんな場所だ。


それでも、彼らは時にユーモアを交え、笑いを忘れず、人々の暮らしのために行動する。


緊張状態の中でも、自分たちの主張を曲げず、それでも引き際をしっかりと見極め、引くところは引く。一歩間違えば、明日は無いことを知っている彼らは「ルール」を守る。


まだ現地に赴任したばかりのソフィーはその辺の遣り取りが理解できない。なぜ、人のための行為が先送りされるのか。彼女は熱き思いで突っ走るが、ベテラン職員達に同行する中で、少しずつその土地のルールを学んでいく。ソフィー役のメラニー・ティエリーが良い。小さい体で一生懸命。口を尖らせて意見を言うシーンなどホントにあの場所にいそうだ。オルガ・キュリレンコはまぁ、こんな感じ。。。(汗)どうも好きじゃない女優さんなので。。。


1本のロープのために必死に奔走する彼らの前に何度もロープを手に入れるチャンスは訪れるのだが、それらのロープは、それを持つ者にとって、大切な物で、譲り受けることが出来ない。彼らは彼らで必死に紛争地域を生きている、ロープと共に。


そして、役割を終えたロープをやっと見つけるのだが…


彼らの仕事は止めろと言われれば、止めなければならない。様々な権利関係があり、停戦合意の上での取り決めが行動を左右する。やっと手に入れたロープも活躍の場を失う。これが彼らの毎日。


ラストで降る雨は住む人々に恵みの雨となっただろうか。主人公たちにとってはこれから泥沼の仕事が待っているようだけど。。。


武装した兵士が登場する場面はさすがに緊張感がハンパないが、普通の村人たちは、ロープ1本に駆けずり回る職員達の姿と比べるとなんともゆったりとしたものだ。様々な物を受け容れ、生きてきた結果なんだろうか。逞しい庶民の生き様と言うべきか。。。


是非、劇場で!!