本国で3部作として映画化された「ドラゴン・タトゥーの女」。ハリウッド・リメイクはデビッド・フィンチャーが監督し、話題になった。
本作は原作的には4作目らしい。1作目は原作小説を読んだけれど、分厚い本だったので、結局それ以上は読まなかった。だから、2作目でも4作目でもあまり関係ないのだ…(笑)
笑わない主人公の時おり見せる複雑な表情は彼女の苦しい心情を表しているのだろうが、今一つ分かりにくい。
そうしたストーリー上のことより、まず北欧の独特の街並みや雪に覆われた冷たい風景の美しさが心を捕らえる。この風景がストーリーにもたらすものは大きいと思う。主人公の心の奥底に巣くう冷えた感情を表現してるんだろうな。
主人公はハッカーとして有名なので、ネット社会では無敵で何でもありの所業を重ねるが、それに対して、自分を取り巻く状況や人に対してはちょっと慎重さに欠ける。なんで、あんなギリギリのハッキングをする人間が、こんなに簡単にドアを開けちゃうかなぁとか、物音に対して鈍感過ぎるとか、ツッコミどころはいっぱいなのだ(笑)
典型的な、ストーリーよりアクションを重視した映画ということだ。でも、テンポが良いから、細かいところを気にしなければ、十分楽しめると思う。
主人公と敵対する組織との関係はうっすら描かれるが、そこをあまり掘り下げてないし、敵対組織が狙う獲物のバックボーンもあまり語られてはいない。それでも、だいたいはストーリーは追えるので、困らない。あくまでもアクション映画として楽しめるような作り方のようだ。
主人公の心の動きに寄り添うと言うより、彼女が戦う理由があれば、それで良いだろうという視点。
アクション重視でテンポも良いので、サラッと楽しむのには良いのかもしれないが…