今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

女王陛下のお気に入り


主演女優賞を受賞したアカデミー賞が終わった直後なので、タイムリーと言えば、タイムリー。しかし、本作は2月半ばには公開済みなので、上映回数も減っていて、ある意味滑り込みセーフ(汗)


王宮での女王を巡る女の闘いを描く本作。確かに王宮やその内部を彩る装飾、登場人物たちの衣装は時代を感じさせ、高貴な雰囲気も漂うが、その内容は。。。


女王を巡るお話なんだけど、彼女たちの話題は、いかに自分が楽しく過ごせるかが第一で、立場上、本来なら第一にしなければならない国家のことなど後回し。それぞれに好都合な選択をして、国政を動かす。


こんな感じじゃ、当時の国民はお気の毒。まぁ、権力を巡る争いは今も昔も変わりないということだ。


昔から側に寄り添って、女王を支えてきた貴族婦人(貴族と言って良いのかな…侯爵かな?)は、自分の意向を第一に受け入れるのが当然となるように女王との関係を強固にし、王宮の権力を握っている。


国家の先行きより、自分達の都合を優先する二人。代議員たちは、女王に媚を売る保守派とそれに反対する改革派に二分され、議会は荒れ模様。


でも、権力を握る人間には国家の大事より明日のダンスの方が気にかかる。。。


そんな二人の間に、侯爵夫人のいとこだという落ちぶれた貴族の娘がやって来る。遠い親戚という本人の言葉で、夫人は仕方なく女中として雇い入れるが、この女がなかなかの曲者。


ありとあらゆる手段を講じて、女王側近の侯爵夫人に従う地位まで上り詰める。ここまで来れば、あとは女王の寵愛を自分のものとして、侯爵夫人を追い払えば万事思い通り。


そして、女王は腹黒い侍女の思惑に絡み取られ、なにより自分を一番に考えていてくれた侯爵夫人を遠退ける。


こうして、思い通りになった侍女は途端に本性を露にする。ウサギを踏みつけるシーンなどその浅ましい本性を端的に表している。


三者三様の女の醜い姿を明かし、彼女たちが火花を散らして自分の地位を守ろうとする姿は、おぞましい。さらに侍女に至っては愚かしさすら感じさせる。エマ・ストーンはこういう腹黒い役が似合う。「ラ・ラ・ランド」の時に感じた印象のままだな。。。


強烈な印象を与える本作だが、正直なところ、私にはハマらなかった。本性剥き出しの人間模様をおぞましく感じただけ。


これは役者を観る映画なんだろうと思う。私にはちょっと。。。