今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

THE INFORMER/三秒間の死角


「インフォーマー」って情報提供者、スパイとかのことなんだそうな…まさにタイトル通りの情報提供者が、FBIの捜査に協力することで、自分の殺人の刑期を極端に短縮され、麻薬王の取引情報を提供するところから始まる。


ところが、この捜査はFBI単独の捜査で、地元のニューヨーク市警には通していない。そのため、それぞれの捜査がぶつかり、情報提供者の身が危険に曝されてしまう。


ストーリー的には既視感のある、よくあるパターンだと思うが、主演の男優さんの妙にシャープで洗練されたカッコ良さで結局観てしまうタイプの映画だ(汗)。


事件解決のためなら、情報提供者を簡単に切り捨ててしまうFBIの冷酷さに主人公は翻弄される。愛する家族を守るため、自分を雁字搦めにする悪の組織との戦いに一人立つ。


副題の「三秒間の死角」というのは、どこのことなんだろう。そこがあまり明確に感じられなかった。既視感のあるストーリーだけに、そういったところを丁寧にテンポ良く描いてたら、もっと面白さを感じられたんじゃないかなぁ。


全てに見放され、裏切られた主人公が刑務所で立て籠もった時、彼は窓から狙撃手の位置を読み、それはピタリとハマる。狙撃手の狙う動線に従って、ガスタンクを置き、人質にとった刑務官を誘導する。


情報提供者となる前…彼は思わぬ争いに巻き込まれて殺人を犯してしまい、収監されていたが、それ以前には従軍し狙撃手として隊務に就いていたのだ。


彼は狙撃手からの死角を的確に捉え、起死回生、一発勝負の逆転劇に挑む。彼の思惑通りに事が進んだ時、FBIで彼と直接やり取りをしていた女性捜査官がそれに気づき、彼女自身も上司から裏切りにあっていたので、主人公に救いの手を差し伸べる。


悪者だけをのさばらしてはおけない…勧善懲悪はアメリカでも、正義なのね。


原作小説があるらしい。読んでおくと良かったのかも…細々がっちり説明過多な映画ではなかったから。


FBIで主人公との窓口となった捜査官をロザムンド・パイクが演じていた。彼女はこういう役の方が良いなぁ。「プライベート・ウォー」の時も思ったけど、戦う強い女を上手くリアルに演じている。


ヒリヒリとした緊張感と主人公のカッコ良さ…この映画の基本路線。