今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ナイブス・アウト/名探偵と刃の館の秘密


「007」に出演してから、ダニエル・クレイグはやっぱりシブくカッコよくスタイリッシュなイメージが付いちゃって演じるうえでは逆に可哀想よねぇと思ってました。


でも「ローガン・ラッキー」を観た時にこんな役も楽しそうに演っちゃって、凄いわっと感動してた。まぁ、映画の出来については二の次で、豪華キャストであり得ないくらいくだらない笑いで、ある意味もったいない面白さだったけど…


今回は両者の真ん中を行くダニエル・クレイグを楽しめる。


トボけた行動で殺人事件の核心に迫っていく。けしてキレ者には見えない(笑)。でも、ちゃんと見るとこは見て、見抜くとこはしっかり見抜いてる。


アガサ・クリスティ風のミステリー映画だと聞いていたが、確かに事件の起きた有名作家の住まいなどお城のような豪邸で趣があり、そこに寄生する家族も登場し、雰囲気は醸し出している。でも、ダニエル・クレイグの演じる探偵はポアロとは違う。


アガサ・クリスティへのリスペクトを感じさせながら、新しい「探偵」を登場させる面白さ。本来、事件を解決するはずの刑事さんも1人はまぁちゃんとしてるけど、その部下の刑事さんはもう探偵劇場の観客になってる(笑)。


1番最初に死んじゃった有名作家はクリストファー・プラマー。これだけ?って心配になるほど、いきなり死んじゃって。後々、事件解決の件で登場してはくるけど、大御所がロケットスタートだもの。期待感が大きく膨らむというもの。


おじいちゃんの膨大な稼ぎにすっかり取り憑いた家族。金持ちを題材にするとこんな家族はほぼ定番。そんな寄生する家族に大鉈を振るうことに決めたおじいちゃんの決死の行動が家族たちの本音をあぶり出す。


家族の話を聞きながら、探偵はけして深追いせず、喋りたいように喋らせて、彼らの言葉に現れた真実に迫っていく。


トボけた笑いを誘ってたダニエル・クレイグは、結局、犯人自らボロを出すように仕向けていくかなり優秀な探偵さんだった。ラストで、おじいちゃんの専属看護師がおじいちゃんの死に関係していることを見抜いたのはいつかと問われ、なんと最初から気づいていた白状する。


ん〜。やっぱり、カッコいいじゃん。さすが、ダニエル・クレイグだ(笑)。日本公開中に続編の製作も決まったとニュースになっていた。次回もトボけた味わいを醸しながら、鋭い切れ味を見せてほしい。楽しみだ。