今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

大相撲九月場所

ずっと昔…(汗)。長男がまだ小学生だった時、チャリティー相撲か何かのイベント相撲のチケットをいただいて2階席で観覧したことがあるけど、ちゃんとした場所割りの大相撲観戦は初めてのこと。


なにしろ、相撲はチケットが高いとしっかり刷り込まれているから、まず自らチケットを取って見に行くなんて考えたこともなかった。


コロナの流行でその感染防止対策がまず確立しないと興行系は難しい。実際、大相撲も場所の開催自体を取り止める決定をした。八角理事長、大英断だと思った。八角さんが理事長になってから相撲界はいつもいつも様々な問題に振り回されてきた。相撲界独特の闇の部分が一気に表沙汰になったり、若い親方衆の反乱があったり、その度に人一倍人の好さそうなその顔を歪めて矢面に立ってきた八角さん。だから、先々場所(五月場所)、無観客で開催した最後の挨拶で涙声になっていた姿は胸を打った。


そして、七月場所は枡席の定員を1名として、2階席は間隔を3席空けて(確か…)の販売に踏み切った。相撲放送を見る度に砂かぶりや枡席のぎゅうぎゅう詰め状態を見てきたので、砂かぶりの桟敷席をなくし、1マス1名で売り出すとなれば、スカスカだ。これまで枡席は4名定員でその定員分の席料を払っていたが、1マス1名にして料金はどうなるのか。そんなことを心配して調べてみると1名については1名料金。マスを1名で使えて、料金は1名分!そりゃあ、こんなチャンスを逃す手はあるものかとチケットをチェック!なにしろ、気づくのが遅かったから事前予約販売なんか知らないし、場所開催後チケットの販売状況を調べてみると、平日なら枡席(C席)なら購入できることが分かった。でもねぇ、家庭の主婦が平日に1人で相撲観戦とか、ちょっと敷居が高い(汗)。で、七月場所はとりあえず諦めて、次回の九月場所の開催発表を待つことにする。


そして、相撲協会から九月場所開催について発表が!今回も東京・両国の開催で、枡席も定員1名と…さすがに、4名分の席料とまではいかないけど、1名だけでも料金は高い。ドーム・コンサート位のお値段。2階席前方と枡席最後方で値段が同じなら、やっぱり枡席に座りたい。ということで、会期中1回だけ購入する希望抽選制で申し込むことにする。よっぽど倍率の高い日にちばかりだけを選択しなければ、いくつかの希望のうち1枚は必ず当選するのだ!と気負い込んで、第5希望まで申し込んだ。まずはなんといっても千秋楽。次をどうするか。初日かまたは会期中の中日にぶつかる連休か…でもねぇ。第1希望を圧倒的に人気の集中しそうな日に設定したので、第2希望はなんとしても当たる方向を選択せねば…そして、第3希望を初日、第4第5を連休の1日目と2日目に設定し、いざ本番!


結局、第2希望は千秋楽前日の土曜日のチケットを申し込む。最近、優勝争いが千秋楽までずれ込むこともほとんどない。中盤まで上位より星を上げる平幕力士が登場し、場所を盛り上げてくれることも多いが、そのまま優勝争いに絡んでほしいとは思いつつ…さすがに平幕なので、終盤で上位に当たってくると敗けが込んで…というパターン。それなら、千秋楽前日は意外に良い選択かもと期待して(私的に影の第1希望!)。


そして、当選メールを今か今かと待ち望み、開けてビックリ!思い通り、千秋楽前日に当選!


そして、場所が始まるとワクワクしながら、毎日の相撲中継を見ていた。白鵬鶴竜横綱の休場には冷や水を刺されたが、平幕力士の活躍や朝乃山の三連敗からの復活、伏兵翔猿の新入幕での大活躍、そしてなによりここ数年地震や豪雨に見舞われた被災地、熊本の希望を背負って正代が今度こその大躍進!千秋楽前日の取り組みは、朝乃山、翔猿、正代、御嶽海の直接対決が組まれた。当日の結果、優勝の行方がほぼ決まる形となった。今の正代の勢いでは千秋楽の三つ巴決戦はまず無いだろうと。


まさに願ったり叶ったりの観戦。千秋楽前日はなかなかに面白い。


今回、私が相撲を観戦しようと思ったきっかけはやはり「コロナ」。今までにない席割りで感染拡大防止対応が目に見える形で実施されていたこと。映画館のようにいくら換気機能が法で決められていて安心だとアピールされても、それが目に見える形で示されないとやはり不安だ。その点、これまでのぎゅうぎゅう詰め状態の観戦風景から一転スカスカの場内を見ると、やはり安心感半端ない。しかも、飲食の持ち込みは禁止、売店も飲食に関しては数を制限していた。事前の案内で食事は済ませてから入場するよう呼びかけていたし、応援は拍手に限定、場内ではマスク必須。


もちろん、そんな呼びかけを無視して菓子を持ち込んで大々的にボリボリ食べてたバカもいたが、それは少数。いい年した中年夫婦者に多かったなぁ。水筒で飲み物を持ち込んでいた人はもう少しいたかな。私は相撲協会の呼びかけに応じて、飲食物一切を持ち込んでいない。場内で飲み物を買ってる人は多かったけど。それは正しい行動!


トイレでは手洗いの洗面台ごとに手拭き用ペーパーと消毒液が設置されていたし、楽しみにしていた「ひよの山モナカアイス」は購入しても場内への持ち込み禁止。売店前の通路で食べないといけない!協会側からはずいぶん窮屈な取り決めが発表されていたが、それもこれも観戦者を感染から守るためと理解できた。要はそれを受け入れるかどうかはこちら次第なのだ。あの菓子をボリボリ食べてた夫婦、結局ああいう輩はどこにでもいるし、身なりもきちんとしていて、持ち物もそれなりにちゃんとしてるにも関わらず社会常識に欠ける人。そういう人は自分のことは棚に上げて物を捉える人なんだろうなぁ。


全面的に人の密に注意を払った運営だったが、1つだけ…終了後の場内の退場処理はいささか首を傾げざるを得ない。1階枡席入場者と2階席入場者を段階的に退場させるとのことだったが、場内は広いからさほど感じないが、通路は違う。2000人もの人数が各所から一辺に流れ出す。せめて、正面枡席、向正面枡席、東枡席、西枡席と席割り每に順に退場させ、戸口での整理に人を割いたら良かったのに。。。


退場となったら、場内担当と思われる親方衆はみな土俵周辺に集まってきていた。あの人手を退場整理に差し向ける。それだけで退場時の密は相当軽減されたと思う。物の対処はずいぶん手を打っていたが、人の対処にまだ改善の余地ありと。


これから、様々な規制が解除され、コロナと共に生きる時代の方法が手探りの状態の中でいろいろと検討されていくことと思う。国技である相撲こそ、その最前線でより進化した興行の姿を見せてほしいと思っている。