今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

最高の教師


大好き「松下洸平」出演作品!!


春に「合理的に〜」があって、その後「潜入捜査官 松下洸平」が解禁になり、その間、御本人は「こまつ座」の舞台に立つというウルトラ忙しいなかで、次作は「ミステリと言う勿れ」の映画公開後の秋にでもドラマか映画、あるかもなぁ〜くらいに思ってた…だって、年明けにライブ・ツアー発表されてたし…


ところが、御本人が舞台に立つ裏で、なんと連ドラに出るというウルトラC


まぁ、主演や助演という出演時間の多い役どころではなく、主人公の夫という微妙に重要なのかそうでないのかよく分らないご出演


御本人のSNSでの出演告知には「学園モノだと聞いたので、生徒役かと思ったら旦那役だった…」と


まぁ「生徒役」への意気込みは、彼特有のジョークとしても、同じ時期にやたらと高齢な(笑)高校生がいっぱいの映画「Gメン」が公開されており、まぁそんな配役も無くはないかも…なぁ〜んて(笑)


で、その夫、九条蓮


高校教師の妻とのすれ違い生活。顔を合わせても目を見ない2人の会話。なんだかどんよりした夫婦の関係…


主人公の高校教師は冒頭、卒業式後の校舎で誰かから突き落とされる。落下していく途中で死に怯え「死にたくない!」と叫ぶ。そして、目を開くとそこは1年前の始業式!!


ここからドラマが始まる


教師としての教室運営はけして上手くいっておらず、ただ表面だけ繕って無事に生徒を送り出せればよいと考える教師、九条里奈


彼女は学校での生徒との関係もけして褒められたものでなく、そして、家に帰れば、夫との毎日もただの共同生活のレベル


しかし、「死」の恐怖を経験したことで2周目の人生でやり直しへのチャレンジを開始する


かなり強引で、かなり強烈な彼女の巻き返しは、度重なるうちに教室の空気を変えていく。その第一弾が芦田愛菜ちゃん演じるいじめられっ子の問題。そして、この芦田愛菜ちゃんの独白シーンが強烈な印象を与え、それほど話題になってなかった本作を一気に話題作に押し上げる


でも、この独白シーンの独り語りは、なんか普通の話し言葉じゃなくてお堅い舞台作品みたいな語り口で、高校生としての役者のセリフとして、私は好きになれなかった。物凄く嘘くさい、演出まみれのセリフにしか聞こえなかったんだけど、世間的には「芦田愛菜、凄い」ってなってて、うそ〜って思った。むしろ、芦田愛菜ちゃん、下手くそになった?と思ったくらいだったから…その後の普通の高校生としてのセリフまわしを聞いて、あぁ芦田愛菜ちゃん、上手いじゃんと思ったので、やっぱりこのシーンはちょっと過剰だったんじゃないかな…


そして、クラスの問題に真正面から立ち向かう彼女に離婚届を突きつける夫が九条蓮


人生2周目の里奈はクラス運営だけでなく、夫との関係も修復へと抗おうとする。結果、2人は向き合って話し合うのだが、里奈が誰にも打ち明けられなかった「人生2周目」を蓮は受け容れる。その過程で2人は時間を共にし、語り合うようになる。里奈はクラスでの問題を蓮に語り、里奈の抱えた思いが吐き出されていく。語り合うことで、今の問題を整理し、里奈に力を与えていく。そうやって、2人は1年後のその日を迎えるまで、語り支え合う


最初は離婚を切り出した理由も今一つはっきりしない蓮の様子に視聴者は、蓮こそ里奈を突き落とした黒幕ではないか?と話題になったりしていたが、互いに歩み寄った後はただひたすら妻を守り、支える夫だった


タイトルをもじって「最高の旦那」とか「最高の夫」とか呼ばれ、毎回数分の出演ながら、九条蓮こと松下洸平は一気に注目度を高めていく


夫も話題になったが、生徒たちの演技も注目された。菅田将暉が余命幾ばくもない担任教師を演じた「3年A組…」のスタッフによって製作された本作は芦田愛菜ちゃん、加藤清史郎くんという飛び抜けた子役あがりの生徒以外はそれほどキャリアのある俳優さんはいなかったように思う


みんな、これからっていう若い俳優さんばかり。その中でも各話のメインになった生徒たちはなかなかの名演で、これでジャンプアップできる子もいるかな…


「3年A組」はもう既にキャリアある人が結構いたし、あれがきっかけで注目されたのは森七菜くらいじゃないかなぁ…


そういう意味では重要ポイントを芦田愛菜ちゃんと加藤清史郎くんに集約させたことで、フレッシュな俳優さんの注目度を上げることに成功したかな


そして、毎回数分だった「最高の夫」は最終回の「結果」集約回で全部持っていった感。なぜ、松下洸平をこの役で?と言われてたけど、その理由が最終回でよく分かった…


同時進行で舞台出演をしていた松下洸平くんは、全話通しても1時間もない出演時間だった。確かに物理的にそれ以上は無理かもしれなかったけど、時間以上の強烈な印象を視聴者に与えたのは間違いない


「最高の夫」と言われながらも、最後の最後まで里奈を突き落とした黒幕だと言われ続けた彼は、松下洸平がこれで終わるわけはないという視聴者の思い込みまで生み出した。それも彼の演技力と存在感とが為せる技なのだと…


本作の締め俳優として、ガッチリ役目を果たしたようだ