今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

書評欄のおかげで。。。

私、確かに読書は好きだけど、読みたいなぁ〜と思う本に出会わなければ、読まなくてもいられる人…だから、1ヶ月に10冊読む時もあれば、2〜3ヶ月全く読まない時もある…(((^^;)

そうやって、子供の手が少〜し離れた時から読み始めた。

まずは当時話題になった作家の話題の小説から。。。

まずは久しぶりにかつて読んでた宮本輝作品に始まり、高村薫さん、村上春樹さん、村上龍さん…と読み、小役人シリーズと言われてた真保裕一作品に出会う。

とりあえず、宮本輝高村薫・両村上作品は放り投げ、真保裕一作品をバーッと読み出した。

面白かった、どれも。ただし、登場人物達がどれもこれも諦めが悪くて、しつこい…(>_<)本当にしつこい。

多分、身近にこんな人達がいたら、絶対に嫌!でも、小説の中ではその粘り強さゆえ、ヒーローになる。

真保裕一作品を読み始めてから、自分の好きな作家以外にも面白い物を書く人がたくさんいるんだ…とあらためて思う。

話題の作家や話題の本はどうしたら、調べられるのか…こんなことから、毎週の書評欄を楽しみとするようになった。

やっぱり、好みがあるから、何作か読んで、もういいやって思う人もいる。そうじゃなくて、別な作品も読んでみたいと思わせてくれる人もいる。

後者には真保裕一さん、瀬尾まいこさん、横山秀夫さん、伊坂幸太郎さん…
前者は。。。内緒(^-^;

今回、読んだ本…書評に出てたし、人気の作家さんのようだったから、図書館予約!
『八日目の蝉』角田光代(中央公論社)…以下、感想。














父親の不倫相手に誘拐された女の赤ちゃん。父親は愛人に妻との離婚を仄めかしておきながら、妻にはしっかり子供が授かるという昼メロみたいな(今どき、昼メロだって、こんな話ないんじゃないの?)パターン

ずっと前に不倫相手の家に火を放ち、男の子供達を殺してしまった女がいた。そして、裁判になり、その妻は自分の可愛い子供達が殺される原因を作った夫のことは庇い続け、不倫相手の女だけを悪者とする発言をして、世間を驚かせた。

その事件の本質は知らない。テレビで野次馬的に流れるリポートを見ただけだ。

この作品はその事件を思い起こさせる。それだけでも気が重いのに、赤ちゃんを誘拐した女は世間と隔絶し、自分達だけの世界で暮らす新興宗教の出家制度の隠れ蓑に逃げ込む。

ここでまた、隔絶された世界の中だけの正義を世間に押し付けようとした人達の過去の事件に思い至る。

正直、救いようのない閉塞感に襲われる…読まなきゃ良かった。

書評欄をあてにしたおかげで、私なら絶対に読まないような本を読ませてもらった。

最終的に、赤ちゃんは親元に返され、女は誘拐犯人として、罪に服す。赤ちゃんの戻った家庭の再生まで書かれていた。最終場面、誘拐の罪を償った女と自分のお腹に新しい命を育む誘拐された娘は偶然にも同じ船着き場でスレ違う。お互いに誰とは分からずに…

だから、何?
本当にそう思った。。。角田さん、ごめんなさい。初めて読んだ作品でこんな印象だと次の作品を読む気にはなれない。でも、最後まで読んだ。それで勘弁してほしい(T-T)