先週末に公開になった「テンペスト」を日比谷のシャンテに観にいってきた…
本来は主人公は王様で男性なんだけど、今は「女王」をやらせたら右に出る者はいない世界の女王陛下がいらっしゃるので、シェイクスピアの原作をちょっと変更して、亡き王様の復讐を誓う妃が主人公!!
なんたって、ヘレン・ミレンが主人公なんですから、少々設定が変わっても、ヘレン・ミレンが演じるからこその「リアル」がそこにあるわけです(^-^;
で、監督は舞台演出の手腕が高評価というJ・テイモア…
この辺で、私は気づくべきでしたね〜(・・;)
普通とは違う演出のアプローチをした作品であることに…
役者達は、誰も彼もが大きな動きと歌うようなセリフ回し…
本筋にはあまり影響の無い、道化役ともとれる役者の配置…
それぞれの役柄のシンプル過ぎる設定…
善と悪…白と黒…
まるで舞台を観ているかのような演出。
でも、映画だから…
舞台上の芝居を演じているような役者達の背景は…
暗転して場面転換する訳にもいかず、難破した王達が辿り着くのは大海原に浮かぶ島…つまり、外!!
唯一、ヘレン・ミレン演じるお妃様の住まいが、舞台に設営されたような階段を中心に描かれている。
なんだか、芝居と芝居を包む空間とが妙にバランス悪いというか…
どうせなら、他の背景ももう少し舞台上の演出方法をとりいれるかしたら、良かったのに…
あるいは、役者の芝居をもっと映画的に、しぐさも普通、セリフも普通…って。
なんか、どっちつかずって印象だったんだよなぁ〜(^-^;
シェイクスピアの戯曲って、私は大好きで、松岡和子さんの翻訳(いわゆる、新訳・超訳って感じ!!)で、とりあえず、20作近く読んでるけど、どれも面白い(^-^)v
「四大悲劇」(だっけ!?)とか言うけど、面白い!!
人物の設定がシンプルで、ちょっと考えられないような事件が起き、でも、それはおふざけでもなんでもなく、人間の本性の部分で「人」を描いていく感じ…
戯曲自体が舞台上演のために書かれているわけだから、監督自身が映画として、脚本化するにあたり、どこを目指したんだろうかって…
あっさりと読みの深くない私には、ちょっと無理だったかなぁ〜(^-^;
面白いのに、残念という不思議な感じ。。。