前置き無し!!感想です♪
新聞広告で「面白い」って記事をよく目にしたので、読んでみた!!
分厚い文庫で、ちょっと後悔(((^^;)
しか〜し!!
読み始めたら、ホントに面白い。
祖母が亡くなって、祖父は大きな「秘密」を語る。
孫達の母親には実の父親がいたと。
今まで、そんな素振りを見せたことの無かった祖父母。祖父と母親は、いわゆる「なさぬ仲」。しかし、祖父は実子である叔父達となんらかわりなく母親と接していた。
そして、母親も記憶に無い実の父親に対しては、祖父から話があって、初めて「どんな人だったのかしら」と思った程度であった。
しかし、そんな母親の何気ない一言に長女が反応し、司法試験浪人中にすっかりやる気を失ってしまった弟に「我が家のルーツ」探しを依頼する…
ここから、弟だけでなく、姉をも巻き込み、「祖父」の足跡探しの旅が始まり、更には姉の結婚問題も絡んで急展開!!
姉弟が訪ねる祖父「宮部久蔵」を語る人達。
まずは、祖父をその他大勢として見ていた縁ある人から始まり、徐々に祖父の「人となり」が明らかになっていく…
本来、戦友会から紹介された順に訪ねているのだから、こんなはずはないんだけど、やっぱりそこは「小説」(((^^;)
最終的に、なぜ祖母は夫を亡くした後、今の祖父と出会い結婚するのかがはっきりする。
そりゃあ、凄い展開。
最終場面に向けて、いくつもの伏線が張られ、最後の最後で「そうかぁ〜、そうだったのかぁ。」と、まるで推理小説の謎解きでも出来たみたいにストンっとおさまる結末。
実在した「撃墜王」の名前が多く登場することも物語にリアリティーを生み、当時の現場の飛行士達の思いが強く迫る。
もちろん、平和な時代を生きる私たちに本当のところは分からないけど、実情は感じられる…
ただ、1つ難点を上げるなら…
姉の存在だ。彼女は弟に「祖父」探しを依頼するが、その後も度々彼に同行し、挙げ句、大人としてはやってはいけないことをする。
更には、人を「見る目」がまるで無いし、分かりきってることをさも凄いことに気づいたように言ってのける。
不愉快だ。
本当に不愉快だ。
戦争当時の辛い記憶を絞り出すように語る祖父縁の人達の「話」の部分は重厚で読み応えがあるが、姉の登場と彼女のエピソードの部分になると安っぽい話に格下げだ。
彼女の存在すら要らなかったんじゃないかとイライラした。まぁ、かつての若者達はこんな厳しい時代を生きたけど、今時の若者はこんなバカですと比較対照するための存在として「姉」を描いたのだとしたら、まんまと作者の術中にハマったわけだが…(((^^;)
読後の気持ちよさ(けして、話の内容にではない…)がある作品!!
お読みでない方は是非!!
最後に
著者の「百田さん」のお名前をずっと「ももた」と読むと思ってた私はとんだお笑い草(((^^;)ストレートに「ひゃくた」で良かったのかと、本を手にするまで知らなかった!!