ヨットを楽しむ人の覚悟を促す映画!!
どんなことがあろうと大海原での出来事は全て自分で引き受け、自分で乗り越える。
一時、誰もが口にしていた「自己責任」!!
それを、大御所ロバート・レッドフォード様が自らの演技で示してくださるありがたい映画。
映画が始まる前、楽しみにして来た割りに眠気が…
最近、ちょっと退屈だと眠気に負けちゃうことが続いてるので心配だったのだ(^◇^;)
だって、大海原でお一人様で遭難だよ!!
だけどね、そんな心配はどっかに行っちゃった…
漂流してたコンテナがヨットに激突して、壁面に大きな穴が開いた!!
そこで、主人公は現状を把握し、1つ1つやれることを確認しながら、確実に対処していく。
ヨット乗りのあるべき姿で冷静に対応していく主人公の姿は神々しいくらい。
絶対にパニックを起こさず、最後まで諦めない。
生きることへの執念が、知恵を生み、ひらめきを呼び、疲れきった彼の体に力を与え、動かしていく。
懸命の対処にもかかわらず、大きな嵐の前には為すすべもなく、とうとうヨットが沈没してしまう。
沈没寸前のヨットの中からかろうじて持ち出せたわずかな食料と器具を救命ボートに投げ込み、自らも身を預ける。
海図と観測器を頼りにタンカーの航路へと向かう。
大海原で生き残るためには、まず自分の存在に気づいてもらわねばならない。
危険を承知で大型タンカーの通る場所へ…
海に出る者にとって、主人公のとる行動はしごく当然の道理に適ったものなのかもしれないが、観る側は全くの素人ばかり。その私たちに余計な説明が一切無い。
余計な…というか、過保護な環境に慣らされた観客に当然あって然るべきの主人公の行動の意味を映し出してはくれない。
ただ、淡々とヨットの破損、処置、天候との格闘、生き残りへの手だてを映し出していく。
大げさな格闘シーンがあるわけではない。でも、スクリーンから目が離せない。
いつか訪れる絶望の時を見据えながら、主人公の姿を追っていく。
主人公がたった1度だけ、絶望を表現する。
命を繋ぐはずのポリタンクのキャップが壊れ、中の真水が飲めなくなっていたこと…
それまで、どんな過酷な状況になっても、おそろしいほど冷静に1つ1つ懸命に立ち上がってきた主人公がただの一度絶望の声を上げる。
これが本当なのだろう。全てに叫びたい気持ちだったのだろう。あるがままの現実に感情的にならず、淡々と対処してきた彼が一気に感情を呼び覚ました瞬間というか…
けして諦めない彼でも、これからに対処することも忘れない。瓶にメッセージを残し、海に放つ…
可能性が0で無い限り、最善を尽くす。
口で言うのは簡単だけど、行動に起こすのは、尋常ならざる勇気と気力が必要だ。
その点でも、これは子供に見せたら良い映画だよね。
生き抜いていく姿を学ぶために…
全ての力を出し尽くし、考え得る全ての方策をやり尽くした彼に訪れるラスト…
最後の最後までベストを尽くすことの意味を教えてくれる。
たとえ、どんな結果になろうとも…