今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

石の繭 警視庁殺人分析班


WOWOWで放送してたドラマ「石の繭」は終わってしまったけど、原作だけが読めてなかった。


最初は講談社NOVELS(新書判)で発刊された「警視庁捜査一課第十一係」シリーズ。文庫化されるにあたり、副題を「警視庁殺人分析班」に改めたらしい。


というわけで…


「石の繭 警視庁殺人分析班」麻見和史(講談社文庫)


以下、感想…

















WOWOWドラマ「石の繭」の原作。


WOWOW放送中から、講談社NOVELSのシリーズを読み始めたのだが、その大元の「石の繭」はなかなか手元に来なかった。


ということで、シリーズ全作品を読み終わった段階で、「石の繭」の方は文庫化されていると知り、そちらを‼


既に頭の中で、第十一係の面々のイメージは出来上がってたけど、第一段を読むことで、さらに納得した感じ。


今回、ドラマの配役との感触はバッチリ。鷹野がちょっとシブい感じで、如月がちょっとヘタレな感じなだけで、キャスティングはバッチリじゃないのかな?


ということで、本編について。


文庫になっても、サラッと読みやすい感じが良い。


もう、合田雄一郎シリーズとは比べ物にならない。っていうか、比べること自体間違ってる(汗)


事件自体は、遺体をモルタルで固めるというなんだか猟奇的な匂いのする連続殺人事件だ。


こんな変なこと考えちゃう犯人は、既にスタート地点が怪しい。


ムダに賢い頭を使って、自分を苦しめた全てに対して復讐を計ることが、人生最大の目的。それこそが、彼の人生。


なんだか、寂しいし、可哀想な男だ。


でも、その可哀想な男も可哀想だからと言って、むやみに同情するのは禁物だ。


その男は確実に犯行を遂げ、何人も殺害しているのだ。


「恨み」の深さ、恐ろしさを感じるね。


主人公・如月塔子の所属する警視庁捜査一課第十一係は、犯人が綿密に練った計画にまんまとハマり、犯人を追い詰めているつもりが振り回される結果となる。


その中で、けして勘に頼らないと公言してはばからない塔子の指導官である鷹野が、最終的には彼の抱いた違和感に基づく「勘」と言うか「閃き」で、命の危機にあった塔子を救い出す。


犯人は捕らえられ、この事件をきっかけに塔子は刑事として本格的に覚悟を決めて立ち上がることになる。


父の歩んだ刑事という道を彼女なりに先輩達の背を追いかけながら、進んでいく。


女性が主人公だからこその面白さではあるんだろうなぁ。


ひとまず、第一段をしっかり読みましたの、これで一応シリーズは読破。また、新しい作品が出るのが楽しみだけれど、合わせて、WOWOWドラマ第二段も希望したいな。


ドラマを作る上で様々な制約もあるだろうから、ほぼ原作通りであれば十分だ。少々の練り直しはドラマ成立の条件であれば仕方ない。そのくらい、ドラマの方も面白かったので、是非(b゚v`*)