今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ボヘミアン・ラプソディ


待ちに待った伝説のバンド「クイーン」の映画。って言うより、フレディ・マーキュリーの映画。


もう生で彼の歌う姿に触れることは出来ない。でも、彼の誰にも真似できない、あの歌声をスクリーンで聞けるなら、絶対に観に行く!そう決めてたので、初日に映画館へ。


平日、金曜公開でしかも昼の上映回なので、場内はさほど混んではいない。しかもIMAXやドルビー・アトモスではない通常のスクリーンでの鑑賞なので、どうかなという思いもあった。


でも、始まるやいなやそれらの思いは吹っ飛んだ!20世紀FOXロゴマークのバックには、タタタターン、タタタターン、タ、タ、タ、タ、ターン(合ってる?)の音がなんとエレキギターで演奏されてるという粋な計らい!


1人ベッドから起き出し、迎えの車に乗って出かけるフレディの後ろ姿。彼が到着したのウェンブリー。いよいよ、この階段の上に彼のステージが待っている。さぁ、行こう!


そんなオープニングから始まり、フレディがクイーンの仲間たちと出会い、意気投合し、互いに意見をぶつけ合い、音楽で深く深く繋がっていく様子がスクリーンに映し出される。


学生バンドから始まった彼らだが、夢は大きく、世界を見据えていた。そして、音楽も同じ事を繰り返す安定志向ではなく、絶えずチャレンジする姿勢を崩さない。


過去の実績にあぐらをかく大物音楽プロデューサーに対しても、その姿勢は変わらず、それぞれがそれぞれの個性をいかんなく発揮して、「クイーン」を形作る。


出自へのコンプレックス、歯をはじめとする体のコンプレックス。フレディは多くの悩みを抱えながら、それをバネに音楽で語りかけてきた。


彼らの音楽が認められ、世界を飛び回るほど忙しくなると、ホームベースを離れた孤独から彼は自分の本性に悩むことになる。


必死に否定しながら、それでも、心は引き寄せられていく。心と体のバランスが崩れ、新しい繋がりを求めて、全てから距離を置く。フレディの孤独と苦悩。


自分を支えてくれた本当に大切なものに気づいた時には、彼に残された時間は残りわずかになっていた。それでも、仲間たちの元に戻る決意をし、世界が注目する一世一代のステージに上がる。それが、オープニングのシーン。


アフリカの人々へのチャリティーを目的に開催された「ライブ・エイド」。


この20分のステージをほぼ全編スクリーンで追体験させてくれる。このラスト20分。体中がゾワゾワして、鳥肌が立つ。まるで、私もあの時のウェンブリーにいるみたい。


普通のスクリーンでも、通常の映画より音が大きく設定されていたようで、迫力は満点。一緒に歌いそうになったし、拳を突き上げそうだったし、足踏みしそうだったし…(笑)


エンドロールももちろんクイーンの曲が流れる。ところが、席を立つ人が数人いた。「アホか?アイツら」って心底思ったけどね。


とにかく、凄いとしか言いようがない。まぁ、映画だから、ラストの「ライブ・エイド」のシーンだけは事実に即して映像化されたのだろうが、他は大きな事実だけはそのままに、時系列をいじったり、フィクションで語られている部分もあるだろう。それでも、観てる方にはしっくり来たし、感動が胸に迫った。


当時のクイーンのファンで、様々なグループ事情など知ってる人に、どう映ったか分からないけど、そんな事を気にするより、フィクション「映画」として楽しむ方が良い!


私が初めて彼らを知ったのは、ロン毛の4人組だった頃のクイーン。私と同い年で今回一緒に観た相方は短髪で髭のあるフレディしか知らなかったらしい。「フラッシュ・ゴードン」で始めてクイーンを知ったと言う相方に、「え~っ!」と驚いてしまった(汗)


確かに何曲か代表的な曲は今でもドラマやCMに使われて知られているかもしれないけど、当時のリアル世代はもう中高年なんだろうなぁ。そうした世代の人たちは、あんまりクイーンは知らなかったと思っても、本作だけは観ておいた方が良いと思う。


傑作だ!!


劇場から出た途端、相方が言った「普通のスクリーンじゃなくて、ドルビー・アトモスでもう1回観よう!」と。そして、翌日日比谷に参戦!