今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ドント・ウォーリー


ちょっとスピード違反な(汗)電動車椅子。勢い余って転倒してしまい、放り出された主人公を助けてくれたのは、通りがかりのスケボー少年たち。


自分で描いた風刺漫画を見せながら、彼は自分の来し方を語り始める。。。


主人公は片時も酒瓶を手放すことがない。重度のアルコール依存症だ。自分でもこのままではいけないことは分かっているが、一晩寝て、目覚めると再びアルコールを求めて歩く生活を続けている。


そんな時、彼は飲み友達とたっぷりアルコールを煽り、パーティーへ出かけていく。ハンドルを握ったのは友人の方だったが、目覚めてみるとかすり傷だけのドライバーに対し、彼は半身不随の重症を負い、車椅子生活を宣告される。


そこから必死のリバビリを経たにもかかわらず、彼は人生の不運を人に当たり散らし、酒を止めることも出来ない毎日を送る。そんな時、様々な人生の問題を抱えたアルコール依存症の人たちの集まる啓発セミナーに出向き、彼の人生を大きく変える人たちと出会う。


体だけでなく、人生のリバビリをしている感じの主人公。大切な仲間と呼べる友人たちや恋人に囲まれ、彼は自分の特技を活かし、風刺マンガを書き始め、自立への一歩を踏み出す。


過酷な状況にあっても、ただ同情するだけでなく、厳しい言葉を吐く人もいる。車椅子の障害者と言って庇うだけでなく、1人の人間として向き合う社会が普通にあるのは凄いことだ。


自分の不運を嘆き、人に八つ当たりばかりしてきた主人公が、啓発セミナーに通うなかで、人を許すことを知り、実行する。


主人公の再生物語。彼は人との出会いに恵まれた人なのだと思う。確かに体の自由は奪われてしまったが、心の自由はさらに広がっていったようだ。


スケボー少年たちは彼の風刺マンガを見ながら、主人公の長い長い濃密な再生の物語を聞く。良い出会いに恵まれた人は、さらに良い出会いを生んでいく。


どうしようもないグズ男が、なんと魅力的な人物になっていくことか!真摯な言葉は人を変えていくのだと感動した。