今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

スノー・ロワイヤル


メイン上映館だったTOHOシネマズ日比谷での上映が終わってしまい、見逃したことにガックリしていたら、なんと、ご近所にお引越し!角川シネマ有楽町で夜の1回上映に!


角川シネマ有楽町で「新聞記者」とのハシゴ。同じ劇場で続きでハシゴなんて、嬉しい!


さて、こちらは過去の作品のリメイクらしい。息子を理不尽に殺された父親がその復讐に立ち上がる話。映画には父親物が意外に多い。中でもリーアム・ニーソンはそんな戦う父親を演じる機会が多い。その点でも安心して観られるものだと思ってたが、なんと、今度のお父さんはある意味ちょっと過激だ!


お父さんは、雪に埋もれる町を除雪するのが仕事。車も埋まる積雪の中、物凄い勢いで除雪車を走らせる。彼の仕事が町の人々の生活を支えているのだ。だから、町民名誉賞みたいなものまで受賞してしまう。


そんな善良で真面目なお父さんの息子は、父親にはちょっと反抗的だけど、地元の空港に勤め、こちらも真面目に貨物の運搬をしている。ところが、この仕事が仇になる。薬物を不正に運んでいた悪いヤツのトラブルに巻き込まれ、あっけなく死んでしまう。


悪人たちは自分たちに累が及ぶのを恐れ、彼を薬物の過剰摂取で死なせるのだ。薬物などやらないと信じる父親に対し、警察は親は皆そう言うと言って、相手にしない。


息子の名誉のため、真実を明かすため、父親は立ち上がる。


実行犯たちを1人、1人、探し出しては殺していく父親。そして、最後は父親が手を下すまでもなく、それに加担した町の悪人たちは互いに殺し合うことで全て命を落としていく。


つまり、この町のバトル・ロワイアルなわけねッという結末。


面白いと言っては行けないんだろうけど、一発必中の殺し合いはさながら、香港映画を観るかのような…


リーアム・ニーソンでなくても成り立つ映画だと思えなくもないが、やっぱり「戦う父親」と言ったら、ファースト・チョイスは彼になるのだろう。


ただし、今までのプロフェッショナルな戦う父親ではなく、力任せに殴り倒して他の仲間を聞き出し、あっさりと殺してしまう。そして、金網に包んで雪山に運び、滝の上から滝壺に放り込む。こうすると死体は魚の餌になって、上がらないんだって!


どこにでもいる生真面目な父親なのに、妙なところで度胸があって、博識だ。


人が死ぬ度にスクリーンが暗転し、死んだ人の名前と裏社会での通り名が表示される。途中から、地元の裏社会のボスと町の裏稼業を仕切る原住民のボスとの争いに発展すると暗転の回数も多くなり、人もたくさん死ぬ。


原住民の裏稼業の一団が雪山で雪合戦を楽しむ姿など、この映画のシュールさの極みと言えなくもない。


見えない悪の手に縛られていた町は、お父さんの戦いに端を発した争いのおかげで悪の輩を一掃する。そして、お父さんは今日も雪山を除雪する。。。


ブラックで、シュールな映画とはこういうのを言うんだな!