今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

天気の子(その2)


(つづき)本編篇!ん〜。。。


超簡単にあらすじを言うと…天気を左右する不思議な力を持ってしまった女の子が、東京に家出してきた少年と運命の出会いをするお話。天気云々の話は、10代のちょっと危なっかしい、ただのラブ・ストーリーをファンタジーに昇華させるスパイス。。。これが全て!特にネタバレって感じじゃないでしょ?


東京のいろんな街が登場する。それは新宿や池袋の繁華街や田端の住宅街なんだが、街の風景には人の息づく気配が感じられない。人は描かれているのに……それに比べて、「雨」粒の描写はまるで実写動画のようにきめ細かく美しく、感動すら覚える。新海監督、建物苦手?なぁ〜んて思っちゃったよ(笑)。


何度か登場するスクランブル交差点は渋谷なんだろうけど、この映画を何回も観る人なら別だろうが、私のようにひとまず1回観ておこうという人間には、同じ絵の使い回しにしか感じられない。それほど、人の息吹が伝わってこないのだ、私には。これは何度も鑑賞することが前提の映画なのか?


ネタバレしないように感想を書くのは難しいけど、1ヶ所だけ勘弁してもらって、どうしても言いたいことが!「フル・スピードで落下中に手を繋ぐなんて難しいだろ?ほらっ!そんな必死にならなくても手錠を使え!何のために手錠してんだよ〜!」っと叫びたかった(爆)。


それと、最近の温暖化の影響でゲリラ豪雨が頻発してる。それに伴い、日本各地で水害が発生し、毎年のように避難生活を強いられる人々が…


こうした今現在の背景を思うと、水没した東京がスクリーンいっぱいに映し出された時に、そこに生きる人々の思いなどが感じられる描写が全く無いのはどうなんだろうと思った。これが、様々なレビューで語られてる「賛否両論」の意味なんだろうか。違うな、きっと…私は読みが浅い。。。


「人柱」なんて言葉が普通に登場するこの映画。若い人たちは知ってるかな?その人柱に選ばれてしまった少女。まだ若く、世の中の仕組みなどより自分の感情に走る年頃であるはずの少女に多くの人々のために命を捧げろなんて言えない。彼女には彼女の幸せを掴む権利がある。だから、結末は十分納得が行く。だだ、水浸しになった街がなぜか無機質に見えた描写にちょっと違和感を覚えると…


残念ながら、白戸家のお父さんはCMと同じシーンには気づいたけど、もう1ヶ所は全く分かりませんでした。そんなところに目を奪われるとストーリーも何もなくなるよ。


そうだ!神木隆之介くん、出てなかったかな?どんだけぼんやりしてたのか、エンドロールで神木くんの名前見逃した。新海誠監督作品は今回初めて観たので、過去作に出演した人知らないので、聞いて分かったのが神木隆之介くんだけ。あんまり、声優さんとしては上手いとは思わなかったけど…私はね。まぁ、たまたま聞いた一言が上手くなかっただけかもね…


自分の今いる場所に納得できなくて家出した少年。母親が亡くなり、弟と残され、児童相談所に入所を迫られている少女。東京に出てきたばかりの少年の顔は傷だらけだった。それだけで彼が虐待されていたとまでは決めつけられないけど、納得できない日々を送ってきた結果の傷なんだろうと予想はできる。大人の庇護を受けられない少年と少女。子供の貧困問題もやんわりとストーリーの背景に落とし込んでいた。


激しい雨が降って水害が起きるのは、人間の生活が天気に影響を与えた結果だとのメッセージを水害のために転居を余儀なくされたおばあちゃんに語らせる。


ストーリーは単純なラブ・ストーリーだと思うけど、その背景に落とし込んだものがいろいろ考えさせるきっかけとして「伏線」を張っているように感じられる。どこの「伏線」を拾うかは観た人次第という、そんな映画だと思う。


そして、音楽の音が大きかったなぁ。映画観てるのか、音楽聞いてるのか分かんないくらいの印象。「キングダム」が吉沢亮くんの壮大な「PV」だったのに対し、本作はRADWIMPSの壮大な「MV」ということか(笑)。


改めて思ったこと。アニメーションって、人の年齢が読めない。人の醸し出す雰囲気、例えばアップになった時の肌の艶とかシワとか、そうしたものが読めない。だから、背格好や服装、声のトーンで差別化してないと分からない。そこがマジックを使える隙間を生むんだろうなぁ。


正直、いろいろと突っ込みたいたいところ(例えば、拳銃の扱いとか…)はいっぱいあったけど、世界を敵に回してまで愛する人を守るって大人にはできないでしょと提示されて、「それが良識ある大人だよ」としか反論できない私は素直に負けを認めるしかないのだろうか。


この文章読み直すと結構ネタバレ・ポイントがあるけど、まぁ、こんな辺境のブログなので許してね(汗)。