今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

幸福路のチー


試写会にて。今回初めて訪れた試写会場、日比谷図書文化館(昔は日比谷図書館って言ってなかったかな?)地下に小さいけど、そこそこ入るホールがあった。さすが千代田区。図書館でさえ、文化発信基地としての要素をしっかり備えている。


試写の当選者は、ハガキを持ってる人とネット当選の人に分かれており、私は圧倒的に少ないネット当選者。それが何の告知も無しに一列に並ばされてる。まずはハガキ当選者の列の中で入場を待ち(これが結構入口でもたついてる…同行者が来ないとかなんとか言ってさ…怒)、やっと入口までたどり着いて「ネット当選者はあちらです!」と別の列を示されてごらん。頭に来るよね!その間、自由席だから、どんどん条件の良い席は無くなっていく。


こんな気分の悪い対応されても、試写会なんだから仕方ないと言われるのかね…(怒)あんまり対応悪いと作品の感想にも影響するよなぁと…


さて、本編。。。


別に対応の悪さに影響されたわけではないけれど、正直言うと「良い映画」だとは思うが、感動するわけでも無いし、ちょっと難しいかなと。アニメで描かれるので家族で観られると思うかもしれないが、お話の内容はやはり大人向けだ。人生に迷うチーと同じ世代向け。


お話の舞台は台湾。その幸福路という町で育った少女チーのお話。一家は、お父さんが賭け事にお金を使ってしまうので、いつも貧しい暮らしだ。郊外の幸福路には様々な事情を抱えた人たちが多く暮らしている。そんな中で子供時代を過ごしたチーは、いつかこの町や家族から離れたいと考えながら成長した。


そして、親戚のお兄ちゃんの勧めでアメリカに渡った。


アメリカに渡り、そこで出会った人と結婚したチー。チーの部屋の電話が鳴る。部屋の散らかり具合を見れば、彼女の今の生活がけして楽しいものでないことは一目瞭然だ。


台湾の田舎に暮らす祖母が亡くなったことを知らせる電話だった。早速、帰国するチー。久方ぶりに見る故郷はすっかり姿が変わっていた。当時の暮らしの貧しさの象徴のようだった薄汚れた運河が整備され、公園になっている。町もキレイになった。


祖母と心のなかで語らいながら、それまでのチーの人生を振り返る。当時の台湾の政治情勢や災害も絡んでの話は台湾の歴史を知らない私には今一つピンとこない。この辺りがこの映画を長く感じた原因かな。近くの国でありながら、何も知らない自分がいる。


かつては嫌でたまらなかったものが、年齢を重ね、視点が変わることで、その本質が見えてくる。チーは台湾での暮らしに関して、まさにそんな自分に気づくことになる。


新しい人生への決断。「幸福」とはその人それぞれ違うものだ。そこに気づいたチーこそ幸福なのではないか。


台湾国内の歴史的なことと絡めているので、国内では同じような悩みや迷いに立ち止まってる人たちに何らかの示唆を与える作品になってるだろう。日本でなら、それを自分に置き換えて考えるということかな。


以上で、「良い映画だとは思うけど…」という感想の理由になってるだろうか。