今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2019


2020東京オリンピック開催の年、あけましておめでとうございます。


昨年も上野の東京文化会館で開催された「ベートーヴェン・マラソン」で1年の締めくくり。


前回(2018)、長時間の演奏会に体がついて行かず、今回は足が伸ばせる貴重な席を選んで参戦。ところが、隣のおじさんが迷惑で(怒)……自分の奥さんが前の席との間が狭いと訴え、その奥さんのために私寄りに座り、私との間の肘掛けをそのオヤジが占領し、足も私寄りに投げ出しており、とても不愉快。。。途中からは私も足を投げ出し、オヤジを牽制したのだけど、図々しいヤツは何をやってもへこたれない(怒)。


音楽は良いのに、観客に不愉快な思いをさせられるのが、このコンサートのお決まりのようだ。毎年、毎年、不愉快な人ばかり。。。


さて、今回は……場内の暖房が異様に効いていてそんな厚着をしていたわけではないのに汗をかく始末。休憩時間にホールを出て冷たい風にあたって、それが原因らしく、体調を崩して年明けを過ごした。


だから、途中、交響曲6番からほぼぼんやりと演奏を聞く状態。ほんとがっかり………(涙)。いつも聞く終演後のコンマスによるロビー・コンサートも聞かずに帰宅。


このロビー・コンサートがねぇ……第九が終わり、演奏者たちが舞台から帰ろうする、その時に拍手などそっちのけで席を立ち、ロビーに走る人たち。最悪。。。演奏会のマナーも何もあったものではない。帰路につく人を押しのけてロビーに向かう人。私なんて、後ろから若い女(ロビーに向かうつもりらしい…)に突き飛ばされたからね(怒)。


私がこの演奏会に参戦した初期の頃は、演奏者が舞台からいなくなってからロビーに行って、ゆったりと聞けた。集まる人数もさほどでもなく、人垣が何重にもなる近年の様子とはまるで違う。主催者ももう少し管理してほしい。


この何重にもなる人垣の中で、かなりの小競り合いがあるのだ。急に前に立ったり、割り込んだり、人前にカメラだけ突き出したり、押したり突いたりは当たり前。。。間近で演奏を聞けるロビー・コンサートはもう止めた方が良いように思う。演るなら、演奏者と聞く人をしっかり立て分ける方が良い。


様々検討すべき状況が素人の私にも感じられるようになった近年のこのコンサートも、今回はステキな企画が用意されていた。それが、第九前の休憩時間の横山幸雄さんのピアノ演奏だ。横山幸雄さんと言えば、大ホールを埋められるピアニストだ。その人が、特別に第九をピアノで弾いてくれるという。これは凄い!


のだめじゃないんだから、ステージで交響曲をピアノで弾こうとする人はあまりいないのだろう。実際、横山幸雄さんの紹介に立った主催者の1人、三枝成彰さんによると手が4本必要な演奏だと言っていた。これまで実際にステージで弾かれたのは連弾で、1人のピアニストによる演奏はこれが初演、本邦初公開ということだった。


音が弾けるようにいくつも折り重なっていく。いくつもの音が次々届く。あぁ、のだめちゃんの演奏で聞いた人たちが必ず言う「多彩な音」とはこういうのだろうと実感した。


途中から調子が悪くなっていた私も一気に目が覚め、心から楽しませてもらった。素晴らしい!


今回はチケット代が5000円値上がりした。時代とはいえ、5000円は大きい。それでも、この横山幸雄さんのピアノを聞けたのだから、納得だ。


さて、前置きがずいぶん長くなったが、演奏会自体について…


炎のコバケンは今年もアグレッシブで、演奏家たちにはどこまでも謙虚で素晴らしい姿をみせてくれた。ただ、途中、何度も鼻をハンカチで押さえるシーンを見て、ガゼをひいちゃったのかと心配していた。そしたら、なんと第九の後の挨拶の時に実情を教えてくださった。前夜から鼻血が止まらなくなり、東京医大の先生がつきっきりでサポートしてくれての演奏会だったそうだ。なんと!凄い精神力だ。


その小林先生も今年は80歳になるという。この長時間の演奏会の全てにタクトを振ることにもそろそろ限界が来るかもしれない。


そんな小林先生の姿をいつまでも見たいと思う反面、年々あさましくなっていく観客たちの姿にもうそろそろ私もこの演奏会参戦から引退しようかと思ったりもする。今回は素晴らしい反面、こんなふうに手放しで楽しめないコンサートだった。


交響曲1番、2番の連続演奏。これはあまり聞く機会の無い演奏で、メンバーの意気込みが突っ走る様子を楽しめる。毎回、この1番2番が1番の楽しみになってる私。ついで3番。第4楽章の頃には鳥肌がゾワゾワ立つほどの演奏。5番も同じく。そして、今回は6番、8番がとても良かった。結局、全部良かったのだけど……(笑)。


今回は帰りの電車に格闘技帰りの人たちがいなくて、のんびりと座って帰宅できた(汗)。ただし、大晦日はあちこちでイベントもちきりだから、ちょっとしたタイミングでのんびり帰れたのかもしれない。


いかんせん、途中から風邪症状に悩まされ、隣の席のオヤジに幅寄せされ、長時間のコンサートに体が悲鳴を上げて、今後を考えざるを得ない状況ではあったが、演奏自体は素晴らしく、感動的だった。


また、楽しみたいのだけど…さて、どうしよう。