今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

9人の翻訳家 囚われたベストセラー


ヒュートラ有楽町にて鑑賞。かなり混み合ってて、前評判の高さは伊達じゃないって感じ。


基本的に前評判が良くてもあんまり期待しないで観に行くことが多いんだけど、今年1月は傑作のオンパレードと聞いてたし、作品選びにはこだわりが感じられるヒューマントラストシネマでの上映なので、珍しくバリバリ期待して劇場へ。


結果……んー。。。期待しすぎちゃったかなぁ(汗)。あんまり期待値が高かったので、なんか普通だった。


刑務所でのやり取り…なんだか思わせぶりで、怪しかったし、やっぱりねっていう想定内の展開だったし…


ただ、まぁ作家の正体と出版社を出し抜こうとする作戦の流れなどは、もちろん読み切れなかったけど、でも特に目を見張るような展開ではなかったかな。


なんでこんなに評判良いのかなぁ…どこか見落としたかなぁ…そんな不安にかられてしまった(汗)。


ちょっとストーリーが分かりにくとこもあったけど、寝落ちはしてないし、ちゃんと観てたはずなのに…


無駄に人が死んでたような気もするし…原稿すり替えに加担する翻訳家たちと蚊帳の外の翻訳家たち。彼らはどうやって選別されたんだろうか。やっぱり、見逃した?まぁ、真犯人がいろいろと策を練ってたシーンはあったにしろ、ちょっと弱い気がした。


人が紡ぎ出した物で金儲けを企む輩。しかし、そんな負の力を借りなければ世に出ない物もあるのが現実。結局、自らの力で絞り出す苦悩を知らない者が目先の儲けに囚われていくというお話。


囚われたのは翻訳家達でもなく、ベストセラーとなる原稿でもなく、それをたった1人、手に入れたつもりでいた編集者だったというお話。1人だけだから、どうにでもなると思ってたし、自分が全てを握る人間だと勘違いした結果なんだろう…


また、閉じ込められたことで、自身の本心に気づき苦悩する真面目な翻訳家もいた。彼らにとってはまさにいい迷惑な話でもあった。


誰も手にしていない原稿を世間に公開することをネタに編集者を脅す「真犯人」は、自分が心の拠りどころとした場所(人)を奪われたことに対する復讐をしただけ…でも、そのせいで死人も出たし、怪我人も出た。それについて、「真犯人」は何も思わないのかな。


全てを編集者のせいにするのかな。まぁ、そうなんだろうな。