今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

リンカーン 殺人鬼ボーン・コレクターを追え



最初、タイトルのリンカーンを見た時、映画になったマシュー・マコノフィー主演の「弁護士リンカーン」がドラマ化されたのかと思ったら、違うリンカーンだった(汗)。


映画「ボーン・コレクター」の方のドラマ化だ。映画は確かブラピの元奥さんが出演していた。あぁ、名前思い出せない。ドラマ版も若い女性警察官がリンカーンに見出だされ、手足の動かないリンカーンに変わって、現場に立つ。


ただ、この女性ポリスが無鉄砲この上ない。まぁ、ドラマ上、そのくらい無鉄砲な方が盛り上がるんだろうが、理性とか微塵も感じられない。こういう人はいつか破滅する…という典型的な人物だ。


殺人鬼との攻防で手足が麻痺する大怪我を負ったリンカーン。彼自身も無鉄砲この上なく、かえって殺人鬼の標的になってしまったのだ。それは、きっと彼の人生を滅茶苦茶にしただけでなく、刑事としてのプライドを徹底的に傷つけたに違いない。


そして、ベッドの上でただ日々を暮らす彼にはイライラだけが募っていったはずだ。そんな時、彼はかつての自分の姿を女性ポリスに感じ取る。


自分の手足となるよう促し、現場にアドバイスを送るリンカーン。その中で、彼のコントロール無しに動き始める女性ポリス。それはかつての自身の姿とダブる。ここで、初めてリンカーンは気づいたんだろう。どれほど自分が危険な捜査をしてきたのかと。


話が進むにつれ、リンカーンは自分のチームを信頼し、その助言を受け入れるようになる。そして、相変わらず無鉄砲極まりない女性ポリスの安全と無事を祈るように。


女性ポリスという手足を得て、なにより成長したのはリンカーン。そして、女性ポリスもただの無鉄砲でなく、徐々にデータや経験を元に確信を込めて突っ走るようになる。


長い、長い殺人鬼との戦いは無事に終わる。だが、やっと終わったその時は新たな始まりだったことに気づくのだ。


一気見のため、テンポ良く見られたが、これを1週おきに見ていたら、最初の頃のリンカーンの傲慢さと女性ポリスの根拠の無い無鉄砲さに、きっと辟易していたと思う。ここが見続けられるかのポイントだろう。


一応、ラストに新たな敵の登場を暗示して終わったが、続編はあるんだろうか。「FBI」を一気見した直後でもあり、どうしても見比べてしまうのだが、あちらは今後どうなるのだろうと続編へのワクワク感があったが、本作にはあまりそのワクワク感は無かった。


実際、アメリカのドラマ界はシビアで、以前豪華キャストで始まったある捜査ドラマが1シーズンで打ち切りになった。ストーリーは面白かったし、ワクワク感もあったが、キャストを始めとする制作費に見合う結果が得られなかったのだろう。


本作はこれで完結で良いと思うけどなぁ。ラストの新たな敵については、リンカーンたちは再び事件に向かうという方向性を示したということで。女性ポリスの無鉄砲さが、いざという時のひらめき的な描き方にならなければ、命がいくつあっても足らなくなるし、そんなファンタジーな世界は捜査ドラマには向かない。というか、あり得ない結果を描き、「ドラマだからね…」と言われてしまうと、もうそのドラマは説得力を失ってしまう。