今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

燃えよ剣


平日の昼間。まだ客足は完璧に戻っていない。それはそれでありがたい。今のうちに(場内が空いてるうちに)鑑賞。


TOHOシネマズは、夫婦50割を止めたそうで、これまで相方と2人でなら週末でも割引価格で鑑賞できたのに、知らぬ間にやめてしまったサービス。これから、我が夫婦は週末に映画を観に行くことはなるなるね。これは密対策?


TOHOシネマズが1番劇場が多いから、利用価値は高かったのになぁ〜(怒)。これで映画離れが進むよ、絶対に。週末などはあきらかに50代以上のご夫婦を多く見かけたものだけど、あの人たちが50割サービスが無くても劇場に来るかと言えば、そうは思えない。


我が家だって、相方はそれほど映画大好きって感じではないけど、このサービスが相方がいないと成立しないサービスで、私があれ観たい、これ観たいと騒ぐから、たまには奥さん孝行の一環として同行してくれてただけだから。でも、相方と一緒だとアクション映画や知られた人気作に限定されて、私の好きな系統はあんまり観られなかったけど(汗)。


ということで、今回はお一人様鑑賞です。


燃えよ剣」と言えば、司馬遼先生の人気小説です。歴史小説というのは、史実とそれに上手く呼応した作家の想像力の賜物です。「燃えよ剣」は、吉川英治の「宮本武蔵」と同じで主人公の「妻」が登場する。


武蔵のお通はともかく、あの戊辰戦争の真っ最中で土方歳三の想い人が京から江戸を経由して無事に函館までやって来るなんて、まずあり得ない。でもね、この映画は原作が司馬遼先生の御作だから、その辺はちゃんと映像化されている。


土方歳三の幕末記ではなく、あくまで「燃えよ剣」の映画化なのだ。


正直、今更「燃えよ剣」の映画化に踏み切るってどうなのかなって思わないでもなかったけど、コロナで公開が大延期されてるうちに、NHK連続テレビ小説「スカーレット」の八郎役でブレイクした松下洸平くんが斎藤一役で出演してるのを知り、これは観とかないとって。左利きの剣士だから、松下洸平くんの左利きがピタリ!普通の殺陣と違って、左利きなので、彼独自の殺陣をつけたと思う。キレが違ったもんね。剣豪に見えた。登場シーンは少ないけれど、メリハリがあって、土方歳三の懐刀という立ち位置を上手く演じてたと思う。


私は土方歳三大好き人間ですが、歳三好きの世間の皆さんにも多分納得できる映画なのではないかと。ただ、雪との絡みのシーンは無くても良いかなって感じではあったけど…原作にも描かれてるし、まぁ、そこばっかりではなかったからまだなんとか…


土方歳三岡田准一が演じたことについては、少々(…と言うか、だいぶ)言いたいことはあるんだけど、とりあえずこればっかりは…ジャニーズの力も影響してるので、仕方ないのかね…


なお、土方歳三の殺陣については、岡田准一本人がつけたようなので、途中、敵方との絡みは岡田准一本人の思い描いたもののようだ。ただ、本編中の殺陣については斎藤一の殺陣が1番キレがあったように見えたのは、左利き独特のものだったのかな。


あの長い話を武州石田村のバラガキ時代から函館戦争まで全てを描くというのは随分なチャレンジであったと思うし、その分、割愛された部分、エピソードもたくさんあった。


それでも映画全編を通して、納得できる作品であったので、これはこれで良かったかな。


ただ1つだけ…土方歳三のラストはちょっと…かなぁ。あそこだけ、緊迫感なかった。残念。


で、1番のインパクトは全身黒の羽織袴の新選組装束。これは痺れました。史実によるとダンダラ羽織はあんまり着てなかったらしく、黒装束だったらしいので、まさにあんな感じだったんだろう。屯所となった寺の縁側にズラリと並んだ黒装束は超カッコ良かった!あそこだけ、もっと舐めるように見せてほしかったぞぉ〜!


ちょっと長いけど、まぁ面白かったからOK。知ってる小説の映画化はどこか斜めに見てしまう。ましてや主人公が大好きだからなおさらだ。でも、本作は十分堪えられる作品だと思う。