ん〜。。。せっかくのお盆休みも家族の予定に振り回され、映画も観られず、読書の時間も取れず…(涙)。読みかけだった1冊をなんとか読み切った。
「歳三 往きてまた」秋山香乃 著(文春文庫)
以下、感想。。。
秋山香乃さんの本って、初めて読んだんだっけ?良かった!とにかく、カッコいい土方歳三を久しぶりに読んだ。
新選組の輝かしき日々が過ぎ、戊辰戦争の時から始まる。結構、ここから始まる小説はある。
共に京都へやって来た仲間たちが、1人、また1人と側からいなくなり、いつしか新選組副長・土方歳三ではなく、新政府軍に反旗を翻す旧幕府軍の幹部の1人として、立場も変わり、出会う人々も変わり、彼自身からは「鬼」と呼ばれたかつての姿もすっかり失せ、明日をも知れない旧幕府軍の希望となっていく。
扱いの難しい寄せ集めの剣客集団を血の粛清で、近藤勇というカリスマの元に集約させた土方歳三。
彼には鬼の一面ばかりがクローズアップされるが、その根底には誰よりも繊細で、優しい心根があったという土方歳三の造形。確かにそうだよね。そう感じるよ。
忙しい日々を駆け抜ける中で、彼はどこで学んだのか、兵法にも通じていく。戦うための力をどこから得たのか。生まれながらに軍才を持った人だったのか、その才能が生かされたのが、幕末の戦いの中であったということか。
時代が違ったら、一国一城の主としても十分な人物だったと言われている。生まれてくるのが遅かったのか…
こんなカッコいい小説が似合うから、土方歳三の人気は衰えないのだろうなぁ。