今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

無私の日本人


最近、図書館で借りた本が続きましたが、久しぶりに手持ちの文庫を。


「無私の日本人」磯田道史 著(文春文庫)


磯田先生の著作です。タイトル見ただけで、磯田先生の熱い語りが読めそうで期待。


以下、感想。。。




















無私の…とタイトルにあるように、市井に埋もれた偉人を語る著作だ。誰にも自分が縁した土地への想いはあるものだ。それが、良くも悪くも…


そして、自分の住む街の偉人を語る人々がいる。その人がいたから、今の我が街があるとしたら、なおさら、語り継ぐことは大切だ。


しかし、無私の人々は自らの行いに功を求めない。自らを語ることもなく、美化することもなく、どこまでも謙虚だ。それがまた、彼らを歴史の表舞台から遠ざける。


けれど、まだ捨てたもんじゃないのは、その功を記録し、語り継ぐ後世の人々がいる。そうしたいくつもの手が、言葉が無私の日本人を表舞台に引き上げるのだ。


磯田先生は、そうした我が街の英雄を語る郷土の記録を丹念に調べ、書き起こす。磯田先生も郷土史家の1人のようだ。


情熱だなぁ…うん、情熱だ。当時、功を為した人たちの情熱ももの凄いが、それを忘れずに語り継ぐ人たちもまた情熱に突き動かされているのだ。


相変わらず、磯田先生の本はあっという間に読めてしまう。面白いなぁ。