今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

新装版 白い航跡(上・下)


初代日本陸軍医官総裁(と思っているのは私だけ?)松本良順について書かれた小説かと思って、手に入れた本作。


読んでびっくり、松本良順(後の松本順)はほんの数回、名前だけ登場人物するだけで、全く関係ないお話だった。


陸軍ではなく、海軍で、しかも幕末に医師として確固たる地位にあったわけではない駆け出しの若き医師がその後、海軍医官として、当時日本の風土病のように思われていた「脚気」患者の治療に邁進したお話だった(汗)。


「新装版 白い航跡(上・下)」吉村昭 著(講談社文庫)


以下、感想。。。

















そもそも全く興味の外の話だったから、読むのが大変だった。


陸軍の変なメンツのせいで本当に素晴らしい医療上の先進性を踏みにじった罪は重いよね。


森鴎外って最低な人だったんだと知ることが出来て、それはそれで良かったかな。


日本では正当な評価を得られなかった人の名前が南極大陸の岬に付けられるって、もっともっと日本人は知らないとダメだと思う。


その正当な評価をしなかった急先鋒が森鴎外だったこともしっかり根付かせて、たとえ、他に様々な実績積んだ人間であろうと人の命に関わる重大な失敗をしながら、いっさい詫びようとしない森鴎外を始めとする当時の日本陸軍医官たちのその間違った姿勢をしっかり後世に伝えないと日本人が世界から笑われる。


吉村昭さんは、同じ作家として、森鴎外のこの姿勢をどう評価したんだろう。


私はどんなに素晴らしい作家であろうと絶対に許すべきではないと思うけど…


今はどう評価されてるんだろう。そこを知りたいなぁ