今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

小説帝銀事件(新装版)


なんで見たんだったかなぁ…多分、NHKか何かで見たんだろうなぁ…


帝銀事件」について評論してる番組で、当時、松本清張が丹念に事件を調べたと知った。


そこで、その調べた結果を文字に起こしたのが本作と知り、手に取った。


「小説帝銀事件(新装版)」松本清張 著(角川文庫)


以下、感想。。。
















松本清張氏の著作はずいぶん映像化されてるけど、私はその中でも百恵ちゃんが主演した「霧の旗」が大好き。


そして、小説は…ちょっと難しい。綴られる言葉が「正しい」日本語がベースになってるし、きっちりとした文章で語られるから…


小説でも読むのが難しいんだから、本作のような評論というか、事件の考察みたいなのは、もっと難しい。一応、「小説」の体は為してるけど…


帝銀事件の膨大な資料を丹念にチェックし、事件の背景、犯人特定までの経過、そして、資料を元にした事件の考察…


いずれも硬い文調でなかなかに取っ付きにくい。いくつかの視点で事件を追うから、同じ事柄が何度か登場したりして、薄い本でも読むのにずいぶん時間がかかった。


当時のことは知らないけれど、現在でも大きな事件に関しては、熱に浮かされたような報道合戦が巻き起こり、ネットやテレビでの情報に我々が踊らされていく。


本作を読むと帝銀事件もまさにそのような事件で、いつの時代も人間の感情は様々にコントロールされていくのだと強く感じる。


本作が「日本の黒い霧」に繋がっていくらしい。いつか、そちらも読んでみようか…