今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

ファントム・ピークス


確か、新聞広告で「ファントム・ピークス」の書名を知って…


その段階で、お勧めの「言葉」を読んで、面白そうだっと思って、図書館に予約したんだ…


でも、それっきり忘れてた(((^^;)


予約したことも、どんな内容のお話なのかも、すっかり忘れた頃に「確保」メールが…f(^^;


「ファントム」と言ったら、私らおばさん世代には米軍のF4戦闘機しか思い浮かばない!!


えっ!!


皆さんは違うの?


「ファントム・ピークス」は私的に、戦闘機のトップを取るための陰謀…みたいな、社会派サスペンスかと思って、読み始めましたよf(^^;


ところが…


どうだい、どうだい…


北アルプスの山と共に生きるとある村で、半年前に突然姿を消した女性の白骨が発見された…という滑り出し…


え〜〜(O.O;)(oo;)


戦闘機は?トップ争いは?


ってことで、ちゃんと言葉の意味をチェ〜ック!!


「ファントム」は「亡霊」、「ピーク」は「山」…


そうだよね…


最近、山関係の本をいくつか読んでるのに、全くねぇ〜。


つまりは、霊の宿る山みたいなお話ってこと?


まぁ、前置きはこんなとこで、読み始めたら、止まりません!!


では、感想を!!


「ファントム・ピークス」北林一光著(角川書店)
























まず、びっくらこきました(((^^;)


オカルトに走らない(笑)パニック映画は大好きだから、原因不明の失踪と動機不明の殺人が不気味に村の空気を変えていく辺りは、不謹慎ながら、「どうなるんだろ」って、ワクワクしながら、読んでましたよ!!


雪男でも出てくるんじゃないかって、期待もしつつ…


だけど、途中で山の生き物の生活圏や生態を研究する学生さんが登場した辺りから、あれあれ〜みたいな(((^^;)


そして、様々な検証と様々な発見の後で、なんと、容疑者は…人じゃない!!


いやいや…まぁ、予感はありましたが、最初の1ページ目から。でも、ちょっとファンタジー期待してた私がバカでしたよ!!「パボ!!」Byウォンビン!!


地元警察の主導で、村人達が敵と闘う後半は、なぜ「彼」が殺人鬼になってしまったのかという謎解きも並行して語られ、スピード感もあって、一気に読んじゃった(^-^)v


罪も無い人が何人も亡くなる後半は、気の毒なんだけど、小説としては面白い!!


そして、これは絶対映画向きだと思った…


たまたま、ネットで見た予告編に「人喰猪、公民館襲撃す!」という韓国映画があってね…


「ファントム・ピークス」は猪じゃないけど、似たような視点からの作品で、ちょっと笑ってしまった…


なんだか、猪が超B級感満載のCGだったんだけど…(((^^;)


この作家さんはきっと映画に造詣の深い人に違いない…と思って、最後のページをめくったら、単行本には珍しい「解説」が!!


しかも、映画監督の黒沢清さん…


黒沢清さんと作者の北林一光さんとの関係や、なぜ北林さんの作品が「映画」を感じさせるのかを黒沢さんが綴っている。


そして、北林さんがもう次作を書くことが出来ないことも…


残念。


こんな新鮮な驚きを与えてくれる作家さんが病に倒れるなんて…


今作の前にもう1つ小説を書かれているようだから、機会があったら、よんでみよう!!