今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

幕末維新を「本当に」動かした10人


新選組」だけでなく、彼らが歴史に登場する幕末についての本を手に取る。NHKの歴史検証番組「その時、歴史は動いた」の司会進行を担った松平定知さんの著作。こういうのを評論と言うのかしら。


「幕末維新を『本当に』動かした10人」松平定知 著(小学館新書)


以下、感想。。。


















番組中で取り上げた人物をさらに松平定知さんの視点で、「幕末」に生き、その後の世の中に大いに影響を残した人たちを取り上げている。


坂本龍馬
高杉晋作
小栗上野介
近藤勇土方歳三
大村益次郎
榎本武揚
篤姫和宮
岡倉天心


以上の8章10人の人物についての評論だ。「幕末」を動かした10人に土方歳三が含まれているというのは、実は松平定知新選組好きなのかなと…(笑)。


早世した高杉晋作を例外として、明治の世を牽引した薩長土の幕末の志士が含まれていないのはいかがなものかと思われる向きもあるかもしれないが、彼らは所詮偽物の上に成り立った権力だから、偉くもなんともないし、世を動かした動機も独善的なものだから、再評価などしなくても良い!


ただ、読んでいて思ったのは、それぞれ立場が違い、相対する状況だったから、結果、新政府と争うことになったので、本来冷静に対応出来る政権幹部であれば、当時ちゃんと彼らの仕事の評価を正すことは出来たはずで、それが無いまま、時代は進んだ。


戦後、日本全体が社会を、歴史を冷静に振り返ることが出来るようになり、後世の手による再評価で初めて本来の評価を得た人たちが多くいる。


結局、歴史は「勝者」のものなのだ。それがまやかしの勝者であっても…


私が子供の頃に触れた歴史の本では、まだ岩倉具視勝海舟、大久保一蔵は「偉い人」だった。今は少し、彼らの真実が語られるようになって、当時の「悪者」の復権も叶っているが、まだまだな気がする。岩倉具視なんて、もっと糾弾されても構わないとすら思う。嘘も方便と許される範囲を越えてる様々な行為とともに。。。


榎本武揚については、戊辰戦争における総括をつける上では、やはり「裏切り者」と捉えられるだろうなぁ。でも、彼がその立場を甘んじて受け入れ、それでも新政府・日本のために歩んだのはなぜなのか。後世の人たちだけでなく、当時、元幕臣として煮え湯を飲まされた人々に明らかにすべきだったと思う。今ほどの情報化社会ではない時代。いろいろと大変なこともあったろうけれど、それは多くの人を死に追いやった権力者としての最低限度の責任の果たし方ではないかと…


歴史から学ぶことは多い。人の上に立つ人間は多くの先師の生き方から学ばねばならぬ。成功例ばかりではない、失敗と思われた事例にこそ真実が、人の真が隠れている気がする。小栗上野介の生き様を見ると、そう思えるよ。


徳川埋蔵金、ホントに見つかれば良いのに!小栗上野介の決意漲る文書かなんかと一緒に!まぁ、それこそ夢のまた夢(汗)。