今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

北条義時


今年はいろんなアクシデントのせいで、2週間開始が遅れた大河ドラマ。確か、毎年新しい大河ドラマが始まる頃に再来年の作品のタイトルと主人公、主人公を演じる俳優が発表される。


ところが、今年は2週間遅れの影響で今年の作品も始まってないのに再来年の作品が発表されたと話題になった。


以前何かの番組で言ってたが、大河ドラマは他のドラマとは違う特別なもので、出演を切望する役者もいるが、拘束期間が長く、他の仕事との兼ね合いもあって、簡単に出演が決まらない。だから、早めに題材と主演俳優を発表するのだと…作品の内容と主演俳優が誰かによって、いろいろ算段できるというわけだ…


例えば、今年の大河ドラマの出演者がなんだか小粒に感じるのはそのせいかもしれないぞ。来年の作品は既に主人公と主演俳優が発表されていたが、再来年の方がアピールできると思えば、オファーを断るかもしれない。あるいは再来年辺り、もしかしたらという憶測が流れていて、そのせいでオファーをやり過ごす場合もあり得る。


そして、再来年の大河ドラマ北条義時を中心に描くことが発表され、「新選組」と「真田丸」の三谷幸喜脚本で、タイトルが「鎌倉殿の13人」!鎌倉殿に仕え、次々と失脚する13人の中で最後まで生き残った当時1番年若い北条義時を演じるのは小栗旬


小栗旬主演の大河ドラマ。いつか石田三成を演じるかと思っていたのだが、北条義時とはびっくり。そこで、ちゃんとどんな人物が知っておこうと…


北条義時」安田元久 著(吉川弘文館)


以下、感想。。。











元来、日本史は大の苦手で、卑弥呼の次は元寇、その次はナシ…ってくらい日本史が苦手だった。苦手の原因は面白くないから(汗)。文明開化とか大正デモクラシーとか近代も大きく時代が変革していって面白いのだと言ってる同級生がいたが、教科書読んでもちっとも面白くない。薩摩だ長州だと言うけど、人物に全く魅力を感じなかった。むしろ、聖徳太子卑弥呼の方が魅力的。それは近代の英雄と言われる人々は絶対に脚色されていると子供心に感じ取ってたからだと思う。


歴史は勝者の歴史…まさにそれだと感覚的に思ってたんだろうなぁ。


最近、小栗旬くんが「銀魂」に主演したのをきっかけにそのモデルとなった時代、幕末を新選組を通して知るようになって、敗者と言われる人々の方がよっぽど魅力的で惹きつけられることが分かった。結局、為政者の側になることで、成り上がるまでとの矛盾が具現化する。そして、為政者たちは面白くなくなる。


現実を生きる人々は面白いとか面白くないとか気にしてるわけじゃないので、これはあくまでも後世の人間の感想ではあるけれど…


そういう意味で日本史にほとんど興味を感じなかった私が唯一面白い時代と感じたのは北条氏が幕府の実権を握り、執権という立場についていた時代、さらに言うなら、蒙古が日本に強引にやってくる頃だ。ところが、それはもう頼朝から幕府を引き継いでしばらく経ち、時宗の時代だったかと思う。だから、義時についてはほとんど知らない。


北条義時は頼朝の義弟として、その人となりを直ぐ側で見つめ、為政者としての素養を磨き、頼朝も成し得なかった京都朝廷と幕府との力関係を逆転させた物凄い人物なのだった。


幕末、幕府も弱っていたけれど、朝廷だって名ばかりだった。薩長土の倒幕勢力の力を借りて、なんとか体裁を整えただけだ。つまり、義時はその後江戸時代まで長く保たれる武家政治の根幹を一代で確立した凄い人なのだ。


ただ、彼が幕府中心体制を築くにあたって、必要以上に政治に感心を持った上皇を遠島したことが、後々彼の悪い評判を呼ぶことになる。


当時は今より朝廷に対する意識は高く、政府は政府できちんとあったとしても、朝廷は別な意味でその存在が影響力を持っていたということ。それを排除したのだから、人によっては罰当たりな人間と思うこともあったろう。


義時だって、そんな時代に生きた人間なのだから、人々の言うことも十分感じていただろうが、彼には北条氏を中心とする武家政治の確立こそが大切で、一地方の豪族が並び立つのではなく、日本という一国をまるごと治める政体を成立させることが急務だったのだろう。


そして、彼は一代でそれを成し遂げた。


権謀術数…ダークな世界を生き切った義時。北条氏寄りに書かれた「吾妻鏡」くらいしか当時の資料が無いらしい時代。どんな大河ドラマになるのか、どんな義時を小栗旬くんが演じるのか、今から楽しみだ。