今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

掬えば手には


知らぬ間に新しい瀬尾まいこ作品が出版されており、早速図書館で予約。


今度はどんな悩める人たちの新しい出発のお話かな?と…


「掬(すく)えば手には」瀬尾まいこ 著(講談社)


以下、感想。。。




















いつもの瀬尾まいこ作品とはちょっと違う色合いに感じた。読み進むうち、確かに瀬尾まいこワールドだけど、ちょっと違う物語だと…


ごくごく平凡な大学生のお話。彼は確かに「普通」なんだけど、でも、私にしてみると、人との関わりに積極的で(本人はそう思ってないみたいだけど…汗)、ある意味、おせっかい野郎で、それはずば抜けてると思うのだ。


そんなふうに自ら関わりを求める人って私には既に超人的だ。


その彼が関わる人もまたどこか変わってる。類は友を呼ぶ…だなぁと。


確かに物語の色合いはちょっと違うけど、やっぱり瀬尾まいこワールドなのだ。優しい人たちのの物語。


日々の辛さや苦しさ、それを少しだけ和らげ、少しだけ前を向くことを後押ししてくれる。それが瀬尾まいこ作品の真骨頂。


最初は、主人公自身が自分の平凡さ加減に嫌気が差してたり、負い目を持ったりという姿勢や何事もどこか割り切れないでうじうじしてる優柔不断さに苛ついた。でも、その優柔不断さがいつか人からは優しさに受け止められる状況を見て、あぁ、人生はいろいろで同じことでも視点が違うと答えも違うのだと感じた。


瀬尾まいこ作品はそこが肝なんだよな…と。


さて、次はどんな世界を見せてくれるかな?