今日も徒然、中洲日記

ほどほどに映画が好き。ほどほどに食べることが好き。日々気づいた事を綴ります。

読書

塞王の楯

「八本目の槍」の今村翔吾さん。本作は確か直木賞だかを受賞したような…おぼろげな記憶…図書館で予約して、やっと読みました。 「塞王の楯」今村翔吾 著(集英社) 以下、感想。。。 時は関ヶ原の戦いの前夜という時期、秀吉の死後、徐々に力を拡大していった…

硝子の塔の殺人

かなり長いこと、車内広告が掲示されていた。満足度が高く、売れているという派手な宣伝文句が踊っていた。 素直じゃない私は、そんな派手な宣伝文句はまず疑ってかかる。だから、知らん顔してた。ところが、ある日、相方が職場の同僚から「これ絶対面白いか…

やんごとなき一族(上・下)

現在、どハマリ中の俳優・松下洸平くんが出演するフジテレビのドラマ「やんごとなき一族」のドラマ脚本を元に文章を起したノベライズ。 ドラマと言えど、全てがシナリオ本やノベライズ小説が発売される訳ではないので、このドラマは最初から映像ではなく、文…

八甲田山 死の彷徨

「天は我々を見放した!」の映画「八甲田山」の原作です。 「八甲田山 死の彷徨」新田次郎 著(新潮文庫) 以下、感想。。。 映画「八甲田山」と言えば、日本軍がほぼホワイトアウトの中を何の準備もなく突撃して彷徨う強烈なシーンに象徴されるけど、子供心に…

保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主

幕末、最後まで新政府軍に抵抗し、最終的に見せしめとして滅藩された会津藩。抵抗を見せる幕臣を放り出し、さっさと難を逃れた卑怯者、慶喜。そんな徳川将軍家に最後まで尽くした会津藩。その始祖である保科正之とはどんな人物だったのか… 「保科正之 徳川将…

くろふね

幕末物に戻りましたよ(笑)。今でも、函館では中島三郎助と2人の息子を偲んで祭をするそうです。 時は幕末。薩長の狡猾な阿呆に蹂躙され、政権を、自らの家臣を放り出した徳川慶喜。その卑怯者ぶりを様々な書籍で見知っていたが、なぜ、放り出された家臣たち…

あの日、君は何をした

以前、新聞の下段にある書籍広告でかなりセンセーショナルな見出しを付け宣伝していた書籍だ。殺人事件の影に隠された真実は?…みたいな(汗)。 でも、当時は文庫でもないだろうし、新刊本なら話題になってから読めば良いと思ってそれきりに。 「あの日、君は…

葉桜の季節に君を想うということ

新規にオープンしたショッピングセンターにちょっと小洒落た本屋が出来た。しかし、小洒落てるだけに使いにくい。小説は作家別に分類され、「新潮文庫」とか「文春文庫」とか出版社別に並んでいない… この並び、ブックオフとおんなじだ。新刊書なのに…せめて…

北条政子

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も折り返し点に達しました。ドラマは栄耀栄華を誇った平家を戦の天才である義経が壇ノ浦で滅ぼし、いよいよ源氏の世が到来したところまでやってきました。 鎌倉時代は、やはり男の時代。その中で、源氏の頭領である源頼朝を支えた…

東大教授が教える やばい日本史

図書館で予約してやっと手にした本作。だけど、読み始めたらお台所やりながらでも1時間半で読了(汗)。 「東大教授が教える やばい日本史」本郷和人 著(ダイヤモンド社) 以下、感想。。。 日本史に登場するヒーローには別の顔もあった…という本郷先生のお話。…

北条氏の時代

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」もだいぶ話が進み全体の1/3ほどが終わった。多分全44話くらいだと思うから、15話が終わった現在、これからいよいよ平家討伐に流れが向く。 独特の語り口でNHKの歴史関連番組によく登場される本郷先生の著作を読みました! 「北条…

頼朝と義時 武家政権の誕生

正月に始まった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」もおよそ1/3弱が放送を終えた。でも、まだまだ13人は合議してない(汗)。 ドラマの時代考証を担当する1人となった呉座勇一氏の著作を手に取った。ところが、彼はTwitter上でのやり取りが問題視され、放送開始前に辞…

北条義時 我、鎌倉にて天運を待つ

「鎌倉殿の13人」のおかげで、ずいぶんと義時関連の書籍が増えた。本作もその1つと言えるのかな。 「北条義時 我、鎌倉にて天運を待つ」髙橋直樹 著(潮文庫) 以下、感想。。。 ん〜。。。なんでしょうかね… 淡々と義時の人生を語る小説で、もちろん架空と思…

史伝 北条義時 武家政権を確立した権力者の実像

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」絡みで北条義時を特集した番組で、最近新しい視点に立って若い研究者が義時を考察していると紹介され、その若い研究者が山本みなみさんだった。 ならば、そのものズバリ山本氏の考察する「義時」に触れてみよう。昨年末発刊された…

一度読んだら絶対に忘れない 日本史の教科書

オレンジ色の表紙が印象的。新選組や北条義時のおかげで、少しばかり「日本史」に興味が増した私。 息子の高校時代の日本史の教科書(山川出版社)を譲り受けたものの、10年も本棚に飾りっぱなし(汗)。 ただ、ホントの教科書で事の成り行きだけ読んでも理解に…

英龍伝

久しぶりの佐々木譲さん!やっぱり、佐々木譲さんは骨太の文章を書く作家で、主人公は男性の時が面白い。北海道警シリーズは、どうも私にはしっくりこない(汗)。 「英龍伝」佐々木譲 著(毎日新聞出版) 以下、感想。。。 本作の主人公、江川太郎左衛門英龍。…

正義の天秤 アイギスの盾

さぁ、続編だ! 「正義の天秤 アイギスの盾」大門剛明 著(角川文庫) 以下、感想。。。 まず最初に。先に読んだ「正義の天秤」で気になった「師団坂」。結局、気になりつつ、本作を読み切ってしまった(汗)。 師団坂弁護士事務所ルーム1のメンバーの人となりも…

正義の天秤

去年、KAT-TUNの亀ちゃんが主演したNHKドラマ「正義の天秤」の原作。 亀梨くん、とってもカッコ良かったし、芝居も良かった。なにより、共演者の奈緒ちゃんがとても良かった。そして、面白かった。珍しく全話見た。1クールものじゃなかったからね。 「正義の…

真・慶安太平記

久しぶりに真保裕一さんの著作を手に取りました。超面白い! 真保裕一さんはかつて「役人小説(お役所勤めの公務員が主役の小説…汗)」の第一人者と言われてた。そんなジャンルがあるのかどうかは知らんけど(汗)。 でも、「覇王の番人」を上梓されてからは歴史…

北条義時 「武士の世」を創った男

久しぶりに1冊読み切り(汗)。じっくり読む時間を取れないのは仕方ないとして、時間はあっても読む気になれないのだ(涙)。集中力が続かない(涙)。 とりあえず、読めたので記録を残そう。。。 「北条義時 『武士の世』を創った男」嶋津義忠 著(PHP文庫) 以下、…

飛鳥の都 シリーズ日本古代史③

びっくりするくらい久しぶりの更新。年が明けちゃってる(汗)。(ちなみに、岩波ホールについてとそこで観た映画についての日記は、こちらの日記より後に準備し、先出しです。時期も考えて…) この間、なかなか読書の環境が整わず、コロナも安定してたのに映画…

黒牢城(こくろうじょう)

実在する戦国武将を材にとった歴史小説は、史実と作家の創作とのハーモニーで、より楽しく読める。 「黒牢城(こくろうじょう)」米澤穂信 著(角川書店) 以下、感想。。。 米澤穂信さんの小説は、やっぱり骨太だと思うのだ。佐々木譲さんと同じ。現代の小説だ…

余命10年

2021年上半期、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」。主人公・百音(通称モネ)が出会った運命の人、菅波光太朗。主人公よりも存在がクローズアップされ、「#俺たちの菅波」なるハッシュタグが作られ、医師・菅波が出演した直後はTwitterのトレンド上位にランキ…

長く高い壁

久しぶりの浅田次郎作品。「新選組3部作」は素晴らしい。だけど、基本的に長めの小説が多くて、次々と読む気にはならない。 本作はそれほど長くなく(浅田次郎的に…汗)、単一本なので手に取った。 「長く高い壁」浅田次郎 著(角川文庫) 以下、感想。。。 長い…

ドキュメント

嫌ミス女王、湊かなえさんの新作です。全然、前情報ナシで手に取り、最初は困惑(汗)。 「ドキュメント」湊かなえ 著(角川書店) 困惑の理由と感想は以下に。。。 まず読み始めて、「あれ?」「何、この既視感…」的な印象を持ってしまう。そして、読めども、読…

その扉をたたく音

瀬尾まいこさんの作品。「そして、バトンは渡された」が本屋大賞を受賞して、田中圭と永野芽郁で映画化される。それに続くのが本作なのだろうか。 「その扉をたたく音」瀬尾まいこ 著(集英社) 爽やかな水色の表紙。感想は以下に。。。 やっぱり、瀬尾まいこ…

世界一の地域医療を目指して 岩手医科大学物語

なんでこの本を読もうと思ったのか…今となっては、自分でもよく分からないが、読もうと思ったきっかけの1つは朝の連続ドラマ小説「おかえりモネ」に登場する医師、菅波の存在だ。彼が自分の中の葛藤を抱えつつ、訪問診療に足を踏み込んでいくところで、地方…

天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災

図書館で確保した本を読む合間に、手持ちの磯田先生の本を読んでます。今度は「防災」。 「天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災」磯田道史 著(中公新書) 以下、感想。。。 「日本史」と一言で言っても、そこにはいろんな分野がある。どんな人物が日本…

矜持 警察小説傑作選

警察小説って好きなんですよ。横山秀夫さんの警察小説は、それまでの警察官が活躍するミステリーとは違うまさに警察官の仕事を通した生き様を語る物語。 高村薫さんの合田シリーズも警察小説と言えるかなぁ。とりあえず、タイトルからみるに、警察官の矜持を…

勝ち上がりの条件 軍師・参謀の作法

磯田道史さんの著作、第2弾はこちら。。。 「勝ち上がりの条件 軍師・参謀の作法」半藤一利/磯田道史(ポプラ新書) 以下、感想。。。 半藤一利さんと磯田道史さん。このお2人の対談となれば、読んでみたい。 半藤一利さんはつい先だってお亡くなりになった。…